内容説明
大正、昭和、平成へ―母と娘の紡ぐファミリーヒストリー。伊豆文学賞最優秀賞の著者が放つ熱海を舞台にした第二弾!グレビレア・ロブスタは起雲閣の最初の所有者が植樹した南国の木その樹齢に重なる波乱な時代を生きた人々のドラマと普遍的な心情を活写する。
著者等紹介
中尾ちゑこ[ナカオチエコ]
本名、中尾千恵子。静岡県浜松市出身。天理大学(旧)外国語学部ロシア語科卒。主な著作:『ユーラシア・ブックレットNo.165ロシアン・ビューティ』(2011年東洋書店)『つるし雛の港』(2011年文芸社/日本文学振興会賞)『プチャーチン異聞』(『異郷に生きる6』2016年成文社所収)『熱海残照』(2017年羽衣出版/第20回伊豆文学最優秀賞)『ロシアの躁と鬱』(2018年成文社)『起雲閣を造った3人の男たち』(2020年熱海新聞寄稿)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えんちゃん
56
熱海市指定有形文化財『起雲閣』を舞台に、時代に翻弄されながらも、大正・昭和・平成をたおやかに生きた母娘の物語。史実をベースにした時代ものとしても、壮大な女の愛の劇場としても楽しめた。遠田潤子さんをマイルドにした感じ。著者のちゑこさんは義母の同級生とのことで回ってきました。レビュー1人目だけど面白かったです。2023/10/31
ソフィ
0
起雲閣のシンボル、サンルームのタイルが装幀に使われていてきゅんとくる。熱海史でもあり女性史でもあり。歴代の所有者、内田信也、根津嘉一郎、桜井兵五郎は名前を変えてそれぞれの個性を発揮。満州、ウラジオストク、ドイツなど移動スケールが大きく、弥生の弟のロシアでの戦後などあまり知られていない大事な歴史の一片だと思う。2025/05/30