内容説明
このニヒリズムをどう生きるか。不透明な時代の今こそ、本来多義的でありうるニヒリズムを再考し、自己の生きる世界から自己の存在を肯定的に語るための価値転換を試みる。
目次
1 知の現在とニヒリズム(ニヒリズムの解剖学;現代自然科学と「宇宙論的ニヒリズム」;ニーチェと価値相対主義の問題)
2 知の伝統とニヒリズム(中国思想とニヒリズム―自然から必然へ;無常の思想―道元をてがかりとして;情意における空)
3 ニヒリズムと倫理(無‐意味と他者―「イリヤ」再考;ニヒリズムとしての哲学;コスモロジーの解体とニヒリズム)
4 超越への新たな視座(「意味なんかない人生」の意味―フィッシュマンズ、宮台真司を素材として;「空即是色」の荘厳;ニヒリズムの反転)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bartleby
2
人はなぜニヒリスティックな表現に癒されることがあるのだろう。フィッシュマンズの曲の分析を通してその問題を考える森岡さんの論考が面白かった。特に次の指摘はまだ今は自分の中でうまく消化しきれていないけど、重要だと思う。メモしておきたい。「受け取る側の表現行為・創作行為を介してしか伝達され得ないようなニヒリズムが存在するp.205」2013/06/07
zakupippo
1
ざっと流し読み。老荘思想はニヒリズムか?宮台真司の意味など、つまみ食い的に読んでもためになります。2023/03/24