出版社内容情報
認知心理学のもたらした新発見はどのような論争の経緯でなされ、どのような再発見がなされ、さらに解決すべきどのような問題が新たに生成されたか。
目次
序章 心理学の過去、現在、未来
第1章 認識の原点は「頭」か「身体」か
第2章 認知と情動のからみ―「認知が先」か「情動が先」か
第3章 知識の起源は「個人の頭の中」か「状況の中」か
第4章 学習の成立過程は「模倣」か「創造」か
第5章 イメージは創造をささえうるか―イメージ論争再び
第6章 記憶は「個人の頭のなかに閉じている」か「世界に開かれている」か
第7章 文章を理解する過程は「トップダウン」か「ボトムアップ」か
第8章 「仮説」をめぐるいくつかの仮説―科学的研究における仮説の役割
第9章 メンタルモデルは「静的」か「動的」か
第10章 「わかる」と「できる」のからみ―表象主義対非表象主義
第11章 認識と文化のからみ―「文化普遍」か「文化固有」か
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
おたきたお
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二項対立のテーマを記述。私は「(3)知識の起源は個人の頭の中か、状況の中か」が興味深かった。以下引用---「「りんご4個とみかん7個があります。かけるといくつでしょう」という問題を小学生に見せると「28」と答える。これは「学校の算数観」による。(中略)研究上の素朴な「知識」や「貯蔵メタファ」は、知識が倉庫の荷物のようにそこにすでにあるということを前提にして、量や積み方・並べ方や運搬の方法ばかりにスポットライトを当ててしまい、知識が知識として達成される瞬間を見逃す恐れがある。」2006/01/01




