内容説明
本書は、今日社会問題として注目を浴びているような、また一般の市民生活の中で容易に出会うような生々しい「倫理学的難題」に対して「倫理学」の専門家がどのように答えるか、あるいは答えられない場合でもどのように問題点を整理するのかを示そうとしたものである。
目次
1 道徳の存在のアポリア(道徳はほんとうにあるのか;道徳の源泉はどこにあるのか;道徳的知の獲得にとって道徳的生活は前提条件となるか ほか)
2 自由のアポリア(自由は本当にあるのか;自由と平等は両立するのか;自分の身体を自由にできるのか ほか)
3 社会のアポリア(無条件な寛容はありうるのか;法と道徳は一致すべきか;営利行為は悪か ほか)
4 よく生きることのアポリア(生命はどのような場合にも尊重されるべきか;道徳的行為は報われるのか;人生に究極の意義はあるのか ほか)