内容説明
本書が主題とする「地籍図」は、土地の所有関係や売買に際して重要な資料である。また各種の研究、中でも地理学、特に歴史地理学には最も重要な基礎史料の一つである。しかしその実体はあまり広く知られていない。第一部で地籍図そのものの研究およびそれを直接利用した論文を、第二部で地籍図を若干利用したものその他をまとめている。最後に、京都の歴史地理学的な課題を提供する小論を掲載。
目次
第1部 地籍図とその活用(地租改正地引絵図作成技術とその伝習について;近畿各県の変遷と「地租改正人民心得書」;滋賀県下における明治期作製の地籍図―現草津市域の事例を中心に;山口県における地租改正と絵図・地籍図の特性―美祢郡を事例として ほか)
第2部 環境と歴史地理(微地形と埋没微地形;地形環境と土地割―勝浦川下流域平野を例に;長岡京域低地部における完新世の古環境復原;河内「古市大溝」再考 ほか)