目次
第1章 精神分析の起源とその時代的背景
第2章 古典的精神分析の理論と技法
第3章 現代社会と自己心理学の展開
第4章 自己の発展と自己対象転移
第5章 自己の病理と自己障害
第6章 自己心理学的心理療法の技術
終章 共感と自己心理学的分析
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
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フロイトは19世紀半ばウィーンに生まれ信仰を持たない中産ユダヤ家庭に育った。著者はまずフロイトのアイデンティティを論じて、エディプス葛藤を核とする彼の理論が個人的な体験と無縁ではなかったことを明らかにし、その上でフロイトの偏りを修正する形で現れたコフートの心理療法を、20世紀初頭までの罪責人間(エディップス葛藤を持つ人)ではなく、現代の悲劇人間(カフカの主人公など)を対象にした心理学と規定する。破片になった自己やナルシズムを見つめるコフートは、治療過程での転移や抵抗を分析することよりも共感に努めたらしい。2017/10/12




