内容説明
この書物は表題の示すとおり、幻想と空想の領域に対する心理学的アプローチの試みである。本書第一部においてはその端緒として、青年期空想の現象をあるがままに明らかにすることに目標をおき、第二部においては、夢野幻三氏という人物に仮托して、生涯のさまざまな局面において生起する幻想と空想が、その人の独自の価値の世界を形成し、その人の風格、ないしは外から窺い知ることのできない人格の秘奥がいかに形成されるかを、心理学的内省をこめて記述した。
目次
第1部 幻想と空想の現象心理(意識の琉れ;青年期空想の類型;夢と白昼夢の基盤;空想と教育)
第2部 ナイスミドルの回想(教育ママの建前と本音;子供の遊び;シンデレラ・コンプレックス;アイデンティティ「私」を求めて;不安の構図;非行・犯罪者の拘禁心理;単身赴任の心理)