感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
302
とりあえずエッシャーを知るには格好の本。初期作品から代表作まで一通りは並べられている。エッシャーは数学が嫌いだったらしいのだが、ここにある版画群はいずれも極めて数学的な美しさを持っている。彼が好む結晶世界もまた、自然の造形による幾何学の精緻さであり、エッシャーはそれを美に昇華させる。そして、驚くのはこれらが版画であること。版画の特性を活かした相似性パターンのものもあるが、その一方で「技師エッシャーの肖像」や球体を描いた一連の作品のようなスーパーリアリズムの作品も。また、しばしば描かれるメビウスの輪や⇒2024/02/17
アイアイ
22
歪んでるのに筋が通ったように見える相対性の版画写真集。 なにかを不思議に思う事は脅威を信じる事に繋がると語るエッシャー。 奥行きのある迷路のような絵はじっと見ると動いてるようだ。flot worms可愛い。 よく見ると怖い絵がたくさんあってドキドキする。▽図書館2016/06/27
たかしくん。
21
エッシャ－初心者の私でも、十分ついていける入門書かと思います。エッシャー自身による序文で、氏の言う「思考の絵」を目指す所以が簡記され、以降作品が続きます。中でも「メタモルフォーゼ」「滝」の２作品は、どちらも不思議な繰返し、循環が、私を不思議な世界へトリップさせてくれます！2014/08/18
らん
17
エッシャーの作品76点とその解説。エッシャーの作品は徐々に形を変えて変化していき、その境目がなく上手く交わっているのが面白い。《昼と夜》黒い鳥、白い鳥が飛んでいる部分で昼と夜が分かれ、田園風景からも鳥が派生している…これはうますぎる！《verbum（ことば）》verbumは聖書における歴史（「初めにことばがあった」ヨハネ福音書の冒頭）を彷彿とさせる…らしい。魚、カエル、鳥は見つけれた。6角形の輪郭に沿って時計回りに移動していると解説…それを踏まえて見ると確かに！《3つの世界》この作品の雰囲気も好き。2022/04/20
REI
9
何かが何かに変わり、音もなく交わり、空間は歪み、描かれた絵に映り込むのは覗き込んでいるような作者の目、それがまたこちらを覗き込んできて…始まりも終わりもない。何時間も飽きずに眺め続けられるだろう、と思うけれど、どうにもならない不安感が込み上げてきて本を閉じたくなる。矛盾と納得のあいだみたいな感覚。あの流れ落ち続ける水？で有名なエッシャーさんの作品集でした。2015/09/20
