内容説明
時代とともに移り変わる。大日本印刷のオリジナル書体、秀英体。誕生から100年目の改刻を経て、いま未来へ。七年の月日をかけて終了した改刻の軌跡。
目次
第1章 秀英明朝(秀英明朝組み見本;次代に愛される本文書体をつくる ほか)
第2章 秀英初号明朝(秀英初号明朝組み見本;秀英初号明朝の復刻 ほか)
第3章 秀英角ゴシック 秀英丸ゴシック(秀英角ゴシック 秀英丸ゴシック組み見本;秀英体を広げる新書体 ほか)
デザイナー・インタビュー(四半世紀にわたる秀英体との関係;毎日食べるお米のように、秀英体を使う ほか)
秀英体の一〇〇年
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜長月🌙@読書会10周年
72
DNP(大日本印刷)の書体・秀英体は100年以上の歴史を誇ります。特に秀英明朝は文庫本などに広く使われていますが、元が鉛の活字から発していてそのままではデジタル化に耐えられない状態になっていました。そこで2005年から7年かけて「平成の大改刻」が行われ新生・秀英体が生まれたのです。一文字一文字を精査して微妙な太さを変えたり、形姿を整える作業は想像を絶するものがあります。同じ文章をいろいろな書体で示しているページを見るとフォント一つで受ける印象がこんなにも違うのかと驚かされます。2022/02/11
Hotshoes
2
すべてのものに、作り上げた人々の努力があること。 使われ続けたもののうちには、誇りと自己証明が宿ること。 しなやかに形を変えているように見えて芯を守り抜くことが、強さにつながること。 そしてそれが、伝統と呼ばれること。 ただのフォント改良の記録のうちには、本当の意味で伝統を守るものの愛がある。2020/05/25
hisaos
2
大日本印刷が百年の歴史を紡ぐ秀英体、その「平成の大改刻」における設計思想を書体例とともに詳細に解説したもの。最終的な完成形と、途中段階の書体例とが比較されているため、ほんのわずかなはらいの形の差、文字の空間の大小の違いなどが、書体の見映えを大きく左右することがよく分かる。普段書籍やディスプレイ上で何気なく接しているフォントに対する見方を深めることができた。2013/12/31
たなべ
0
フォント作りはコンセプトと相談しながら世界観をつくる仕事。計算だけではだめなことを伝えてくれる本だった。 フォントデザイナーのゲシュタルト崩壊対策 あれば聞いてみたい。2016/08/22
takao
0
☆いや、しらなかった。確かに、最近の本で、妙にインパクトがあるのがあるなと思っていた。 また、よしもとばななの「キッチン」の書体が開発のベースという。なんとなくわかる。読みやすい書体だったような気がする。2018/09/25