出版社内容情報
風船が診察にやってきました。ばける前の自分がなんだったのかわからないというのです。院長先生がいろいろな検査をしてみますが・・。
およそ6~7才から
著者等紹介
三木卓[ミキタク]
詩人、作家、翻訳家。1935年生まれ。静岡県出身。早稲田大学露文科卒業。詩集『東京午前三時』で第17回H賞を、『わがキディ・ランド』で第1回高見順賞を受ける。『鶸』で第69回芥川賞を受賞
長新太[チョウシンタ]
漫画家、絵本作家、エッセイスト。1927年東京生まれ。漫画家としてデビューしたのち、絵本、エッセー、児童文学の挿絵など活躍の場を広げる。1978年に『ぼくのくれよん』(講談社)で厚生省児童福祉文化奨励賞を受賞、1981年には『キャベツくん』(文研出版)で第4回絵本にっぽん大賞を受賞。またイラストレーションでは、1974年『おしゃべりなたまごやき』(福音館書店)で国際アンデルセン賞国内賞を受賞。そのほかにも数多くの受賞作品がある。2005年永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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帽子を編みます
59
歯科医院の待合室で見つけました。三木卓に長新太、面白そうな取り合わせ。大きな文字で話がぐいぐい進んでいきます。院長先生がテキパキ診察を進め、そろそろ昼休憩、お腹がすいたと我慢するところも共感できるし、青い風船の患者に首をかしげながら次々に検査をしていくのも病院でのあれこれを思い出します。ナンセンスでとぼけた挿し絵があっています。猫の名前がタロキチ、今でもこんな名前の猫はいるのかな。猫が本の上でぐっすり眠っているところから思いついた話でしょうか、待ち時間に思わぬ読書タイムを持つことが出来ました。2022/05/31
ヒラP@ehon.gohon
25
ナンセンスですがペーソスに包まれていて、あまり笑えないお話です。 いろんなものに化けていたら、本当の自分が何だったか忘れてしまった風船です。 つるりとした風船そのものだけに、お医者さんも成すすべもありません。 何だか、人の悩みにも思えました。 想像できない正体だけに、頭は混乱したまま読み終えました。2022/01/14
にく9
20
風船を診察したりレントゲン撮ったりしちゃう医者や技師たちのノリの良さが笑える。他者の生き方が羨ましくなったけど、自分は自分でいいや、と割りきる流れが少し成長した子供に読ませたいくだりかな。2016/10/21
ひな
10
今月のぶっくくらぶより。最後のトラキチが可愛らしい。何気ないお話だけど、お昼も食べずにやっぱりお医者さんは忙しいよね...などと現実的なことを考えてしまったのは余計なことなのだろう。2015/07/06
花々
5
これいいなあ。大人も笑えて楽しいと思う。だって、ぼく、風船ですけど診てもらえますか?ってきたら普通相手にしますか?先生も少し、面倒くさがりながらもいろんな検査をしてあげる。そして、ちょっとえらそうな態度の風船。最後に風船の正体が分かって納得。2014/06/09