出版社内容情報
ねずみのラットのしっぽはやっかいなしっぽです。ボールのようにかた結びをしてあるので、おもりのようです。ラットにとっては、食べ物を盗む時に、このしっぽが不便でならないのです。でもこれは、悪いことをした罰でした。グレー・ラビットの家でぬすみ食いをして、スキレルにしっぽを結ばれてしまったのです。(「グレー・ラビットとヘアとスキレル スケートにいく」をご覧くださいね!)スキレルの作った結び目は誰にもほどけません。ヘッジホッグやモールディに助けを求めましたが、やはりほどけませんでした。そこでラットはプレゼントを持って、おそるおそるふくろう博士を訪ねます。プレゼントは、苦心して作った小さな船です。ふくろう博士は、小さな船を気に入ります。そして「おまえが新しい心をもつまで、むすび目はとけない」と言いました。ラットはふくろう博士の言葉を考えます。仲間のために、まじめに働きはじめます。そしてふくろう博士の言葉を理解したころ、ようやくむすび目がしぜんにほどけていました。(編集企画室 U・A)
およそ7~8才から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひな
15
先月のぶっくくらぶより長女用その3。「グレーラビットとヘアとスキレル スキーにいく」とセットになっていたもの。前回悪さをしてリスのスキレルにしっぽを結ばれてしまったラット。何とかほどこうとふくろう博士に相談に行くけれど...。ふくろうの言葉をきっかけにラットが更生?していく様子が描かれる。悪さをしなければ結び目がだんだんほどけていく、というくだりは何となく日本の昔話にもありそうだなあと思いつつ、ラットが自分の才能を良い方向に生かしていけそうで良かった。2016/12/06
kiki
3
《娘の本棚》前作の事件で犯人だったラットが主人公。単なる悪漢なのかと思いきや、この人は気づきが与えられなかった人生なのかもと思った。奥さんと生まれたばかりの赤ん坊がいるのに短絡的な思考で他人の物を盗んでの暮らしは単純に考えても大変そう。なのにラットはどうしてもそういう思考回路になる。梟に助言され、行動を変え結果を出して自分のものにしていく過程で、自分の今までの思考や行動が色あせて見えたのかもしれない。愚かが過ぎて哀れで仕方なかった彼。今後は自分の強みである手先の器用さで、自分と周囲を幸せにしてほしいな。2021/09/22
こまち
3
きちんと教訓(?)みたいなのがありつつ、すぐにいい方向へ進み始め、ラストで誰も疑うことなくめでたしめでたしになるのをすんなり受け入れられるのは絵本ならでは。 文章が多めなので大人でもストーリーを楽しめる絵本だと思う。2019/07/25
のん@絵本童話専門
1
先にスケートの話を読んだ方がいいです。この小さな絵本シリーズの方が続編なので、岩波のグレイ・ラビットのおはなしを読んだ方がより世界観がわかります。スキレルにしっぽを結ばれてしまったラットのその後のみじめな生活。なんとかもがいてもがいて、一筋の光を助言で得たラット。極度に飢えた中で、その助言通り行動してみることは、なかなか人間ではできないこと。悪が蔓延っている人間社会とは違い、悪い心の持ち主はのさばれない。温かで純粋な世界がここにはあります。2023/02/15
uyo
0
スキレルのむすびかたを知りたい!2011/02/13