野うさぎのフルー

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  • サイズ A4判/ページ数 35p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784887500419
  • NDC分類 E
  • Cコード C8797

出版社内容情報

1931年、フランスで教育運動のひとつとして企画された廉価版の絵本「ペール・カストール」シリーズには、すぐれた作品が発表されましたが、なかでも、リダ・フォシュ文、フェードル・ロジャンコフスキー絵による作品は、今でも高く評価されています。
本作は、その一冊。「フルーは、ひとりぼっちになってしまった野うさぎです。おとうさんは、きつねに食べられてしまいました。いもうとは、ふくろうにさらわれました。」おかあさんも、しばらくすると、フルーをおいたまま帰ってこなくなりました。それが、野うさぎの世界の決まりごとなのです。そうやって、一人で生きていくことを学びます。フルーも、緑多い春を楽しみ、実り豊かな秋を喜びます。そんなある日、めすの野うさぎ、キャプシーヌに出会います。それからの日々の、なんと輝いていたことでしょう。
ところが、ある日、うさぎ狩りが始まりました。鉄砲の音と犬のほえる声が聞こえます。二ひきは別々の方向へ逃げます。その時から離れ離れとなりました。やがて、きびしい冬がやってきました。フルーは食べ物をどうにか探し当てながら、しのいでいきます。そして、また、春がやってきたのです。フルーが緑の林に入っていった時です。なつかしいにおいを、そよ風がはこんできました。フルーははねていって、あの、めすの野うさぎと、顔をつきあわせたのです。ああ、なんと幸せなことでしよう!
「ペール・カストール」シリーズは、いずれも、自然の中で暮らす小さな生き物たちの、日々の喜びと、生きていくための過酷な試練と、そして生と死を、美しいロジャンコフスキーの絵とともに謳(うた)いあげます。  (K)
およそ7~8才から

内容説明

生きものの生態とドラマを、清冽に描く5連作。1930年代初版(フランス)の原形のままに、翻訳を見直しての復刊。

著者等紹介

フォシェ,リダ[フォシェ,リダ]
1899~1955。チェコスロバキア・プラハに生まれる。若い頃より、恵まれない立場にいる子ども達への教育にかかわった。そのことを通して、『野うさぎのフルー』のシリーズのもとになる『カストール叢書』の著者ペール・カストールと出会う。のち、彼と結婚し、以後、このシリーズは、夫妻の共同の仕事となった。パリにて他界

ロジャンコフスキー,フェードル[ロジャンコフスキー,フェードル][Rojankovsky,Feodor]
1891~1970。ロシア・ミタワに生まれる。イラストレーター、作家。自然に親しみながら、長じてモスクワ美術学校に学ぶ。1914年から1917年にかけ、陸軍に画家として役した後、ロシア革命の間、ウクライナの子どものための本に挿絵を描き始めた。内戦から逃れてフランスに渡り、パリに身を寄せた。そこで、アメリカの編集者に見出だされ、次いで、リダ・フォシェとの出会いから、『野うさぎのフルー』のシリーズの絵を手がける。挿絵を描いた作品は100点にものぼるが、そこには、いずれも、いきいきした色彩、ゆたかな自然観察という、彼の絵の特質を見ることができる。コルデコット賞受賞画家

いしいももこ[イシイモモコ]
1907~。浦和市に生まれる。日本女子大学卒業後、編集者として出版社に勤務。その後、こどもの本の翻訳家、作家として、戦後まもなくの、わが国児童文学界の草分けのひとりとなる。その功績により、1953年、菊池寛賞受賞。以後、現在にいたるも、わが国児童文学界の最高峰に位置する。自宅の一室を開放した「かつら文庫」を、長年、主宰してきた
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちょろこ

126
幸せ感いっぱいの一冊。ひとりぼっちの野うさぎフルーが、神さまからもらった三つの贈り物と共に自然の中で生きるストーリー。とにかく絵が可愛い。モノトーンベースでも可愛さ充分の絵は時にカラーにも変わり、パッと心を華やかにしてくれるセンスが良い。全身がバネと化した躍動感溢れる動きといい、自然の中で危機に面した時といい、まるでNHKのダーウィンが来たを絵と文字で味わっている気分。うれしさいっぱいのとんぼがえりはこちらにまでひゃっは〜っ♪って声が聞こえてきそう。ラストは幸せ感いっぱいに包まれること間違いなし。2023/01/19

ままこ

73
ひとりぼっちのフルー。ある日、同じくひとりぼっちのキャプシーヌと出会い、一緒に楽しく過ごしていたが…。野うさぎならではの特性を活かし、逞しく生きている姿が躍動感たっぷりに描かれている。野生の厳しさにハラハラ。どうなることかと思ったが、ラストは微笑ましい♡温かみのあるクラシカルな絵と趣向を凝らした構図、石井桃子さんの訳も良かった。2023/01/13

yomineko@ヴィタリにゃん

65
読み友様からのご紹介本です📚うさぎ祭りに間に合わず!何と今話題のチェコの絵本。挿絵はロシア人。野ウサギのフルーはとても可愛いキャプシーヌと出会う😊数多の困難を乗り越えて、どうなるかな?2023/03/17

アナーキー靴下

52
表紙に惹かれずっと読もうと思っていた絵本だけどこれは良書。野うさぎの生態に詳しくないので、どこまでが本当かはわからないけど(例えば野うさぎは求愛行動としてとんぼ返りするのか、とか)、物語調ながら写実的で、『ダーウィンが来た!』を観るような感じで楽しめた。躍動感溢れる絵がたまらなく魅力的で、昔テレビで観た、どこかの空港から追い立てられる野うさぎたちの引き締まった筋肉とチーター顔負けの見事な走りっぷりを思い出した。文章もまたいきいきとした野うさぎの生態を見せてくれるけど、詩情豊かでもあり、とにかく素晴らしい。2024/09/28

しばこ

24
【うさぎまつり】 野うさぎの生態を描きながらも、フルーと雌の野うさぎキャプシーヌとの出会いからの物語がうまく合わさっていて、写生的な絵と共に楽しめた。2023/03/01

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