出版社内容情報
昔、ある年のクリスマスに、ぼうやへの贈り物として、ビロードでできたうさぎがやってきました。でも、すぐに他の古びたおもちゃと一緒に、長い間、物置に入れられたままになります。うさぎはその物置で、かしこい木馬から、おもちゃは、しんから可愛がられたら「ほんとうのもの」になるということ聞きます。うさぎは、そうなりたいと思います。
ある日、ぐうぜんに、うさぎは、ぼうやの手に取られます。それから、ぼうやと一緒の毎日が始まります。うさぎはかわいがられ、そのおかげで、ずいぶん傷んでしまいます。
そんななか、ぼうやが重い病気にかかります。ぼうやの病気によくないと、うさぎは捨てられ、翌日には焼かれてしまうことに。うさぎは、あんなに幸せだった頃を思い出し、涙をひとつぶこぼします。その時、子ども部屋の妖精が現れて、うさぎを、ほんとうのうさぎに変えてくれるというのです。うさぎは言います。「ぼくは、いままで、ほんとうのものではなかったのですか。」妖精は答えます。「ぼうやには、ほんとうのうさぎでした。ぼうやは、あなたがだいすきでしたから。でも、これからは、あなたは、だれが見ても、ほんとうのうさぎになるのです。」人間の子どもも、しんから可愛がられて、ほんとうの子どもになりたいと、願っているのかも知れませんね。 (K)
およそ11~12才から
内容説明
ある年のクリスマス・プレゼントのひとつとして、ぼうやのもとにやってきたビロードうさぎ。木綿のビロードとおがくずでできたビロードうさぎは、子ども部屋の他の高価な機械仕かけのおもちゃの中で、肩身のせまい思いをしていました。でも、仲よしの皮の馬から、子ども部屋には魔法がおこることを知らされます。「もし、そのおもちゃをもっている子どもが、ながいながいあいだ、そのおもちゃを、ただのあそび相手でなくて、とてもながいあいだ、しんからかわいがっていたとする。すると、そのおもちゃは、ほんとうのものになるのだ」ビロードうさぎは、自分もほんとうのうさぎになりたい、と思いました。やがて時は過ぎゆきます。
著者等紹介
ウィリアムズ,マージェリィ[ウィリアムズ,マージェリィ][Williams,Margery]
1881~1944。イギリス・ロンドンに生まれる。結婚のあと、アメリカに居を構えた。おとな向けの小説を書いていたが、1922年には、絵本の作家に転身。『ビロードうさぎ』は、彼女の最初の作品。他に30点ほどの作品を残しているが、後世に残るほどではなかった。1944年ニューヨークで他界
ニコルソン,ウィリアム[ニコルソン,ウィリアム][Nicholson,William]
1872~1949。イギリス・ノッティンガムシャーに生まれる。著名な画家、肖像画家、デザイナー。こどもの本にはじめてかかわったのは、1898年に『An Alphabet』をつくったときである。この作品は、「その表現形式は、まごうことなく20世紀を予見させる最初の絵本」と評された。1904年には、『ピーター・パン』の舞台と衣装のデザイナーをつとめた。1922年に『ビロードうさぎ』にさし絵を描き、その後、娘と孫たちのために自作の児童書2冊『かしこいビル』(1926年ペンギン社)『The Pirate Twins』(1929)をつくった。これらの業績により、Sirの称号を授与される。1949年、他界
いしいももこ[イシイモモコ]
1907~。浦和市に生まれる。日本女子大学卒業後、編集者として出版社に勤務。その後、アメリカへ渡り、こどもの本、図書館について学ぶ。帰国後、こどもの本の翻訳家、作家として、戦後まもなくの、わが国児童文学界の草分けのひとりとなる。その業績により、1953年、菊池寛賞受賞。以後、一貫して水準の高い仕事を続け、現在にいたるも、わが国児童文学界の最高峰に位置する。自宅の一室を開放した「かつら文庫」を、長年、主宰してきた
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
(C17H26O4)
らぱん
ぶんこ
森の三時
-
- 和書
- よくわかる熱力学
-
- 電子書籍
- 長崎新地中華街の薬屋カフェ 中秋の月に…