内容説明
江戸時代後期、二宮尊徳による創造的で工夫に富んだ地域社会復興事業は日本各地に普及拡大し、幕末維新期の社会に大きな足跡を残した。その源流こそ、下野国桜町領での知行所復興事業だった。「報徳仕法」「報徳思想」が生まれた現場とその背景を、さまざまな史料群から丹念に読み込み明らかにする。
目次
第1部 桜町仕法請負(旗本宇津家桜町知行所の成立と衰微;尊徳自家再建期の経営;尊徳の桜町仕法請負に関する諸問題―仕法受諾に至るまでの経緯;桜町仕法と報徳思想の成立―仕法着手の史料論的研究)
第2部 仕法の展開と打ち切り延長論(桜町仕法諸施策の展開と住民動向―仕法着手から出奔事件まで;仕法打ち切り延長論と住民訴願―桜町仕法の再建過程;後期仕法と「上下安泰永久相続之道」―報徳仕法成立の秋)
第3部 成立期の報徳思想(仕法の永久相続論と報徳思想の成立;報徳思想の成立と「若林自脩作文集」)
著者等紹介
阿部昭[アベアキラ]
1943年、栃木県足利市生まれ。東京教育大学文学部史学科卒業。県立高校教員、県立文書館指導主事を経て国士舘大学文学部教授。同文学部長、同大学法人理事。2013年、同大学退職。現在、同大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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