内容説明
これは詩の絵本です。八木重吉の詩が絵を誘いだし、詩は絵になって歌います。
目次
素朴な琴
雲
草をむしる
悲しみ
“色は”
夜
私
春(天国)
赤ん坊がわらう
無題〔ほか〕
著者等紹介
井上ゆかり[イノウエユカリ]
1963年東京生まれ。1986年東京芸術大学美術学部芸術学科卒業。2013年創画展に入選。他、個展開催。絵本や童話などの挿画を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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東谷くまみ
33
ふと唇からこぼれた言葉を集めたような短くも優しい詩。その飾らない言葉の底にはうっすらと悲しみが漂っている。29歳で夭逝した八木重吉、その胸には様々な葛藤があったろう。でも日々を見つめる目や、「ちいさいむすめ ももこ」の生きる力に驚き感動している重吉の目はとても純粋で愛おしい。かけ足で通り過ぎた人生だったが「今」を精一杯生きた重吉。その隣で寄り添ってくれる存在はとても大きかったろう。青空の下で「心よ」をくちずさむと重吉のたどり着いた安らぎに胸がいっぱいになった。2022/02/16
re;
19
空に雲。大地に草。風が吹いて、雨が降る。春夏秋冬巡り行き、生きている、ただその奇跡に怖じ気づく。心に積もる悲しみを静かに、ただ静かに見つめ、いつかくる別れに反発することなく生と死を包み込む。『かなしみとわたしと、足をからませて、たどたどとゆく』『わたしのまちがいだった。わたしの、まちがいだった。こうして、草にすわれば、それがわかる』若くして病に蝕まれ、29歳で夭逝した重吉の眼差しが捉えたのは、どこまでも透き通る美しさに満ちた、あるがままの世界。慈雨の如く降り注ぐ言葉達が水彩の景色に溶けていく。2020/07/29
k.rie
2
幼い私が まだわたしのまわりに生きていて 美しく力づけてくれるようなきがする2019/10/05
みなず
1
一気読み。『三日月堂シリーズ』から八木重吉に興味を持ったので。ストレートに届く詩と、その紡いだ言葉そのものの絵に、眼も心も一体となり、八木重吉の想いが私へ入ってくる。私好みは【夜】【〈しみじみと〉】【幼い私】【雨】【月】。 2022/01/21
そーし
1
秋の瞳に魅かれて。 とあるホテルにこの詩集が置かれてた。合唱で八木重吉さんに触れたことからふと手に取り読んでみた。 あとがきにある、詩は美しい言葉に飾られているのにふと手に取ると、何も語りかけてくれない。 とてもわかる。何か惹かれるのもはあるのだが、何が心に現れるのか全くわからない。 あとがきで安心させられた。 知らない言葉が以下。 ほふる、ひとり、こだま谺、夜っぴて、さやけさ2021/12/20