内容説明
茨木のり子二十九歳(一九五五年)、鮮烈デビュー第一詩集。
目次
魂
根府川の海
対話
ひそかに
方言辞典
秋
武者修行
行きずりの黒いエトランゼに
内部からくさる桃
こどもたち
或る日の詩
薪を割る
知らないことが
もっと強く
小さな渦巻
劇
いちど視たもの
準備する
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
277
茨木のり子の第一詩集。オリジナルは1995年不知火社刊。ほとんど売れることなく、不知火社もこれ1冊で畳まれたそうだ。本書は童話社による新装復刊版。茨木のり子は、終戦時に19歳であったから、これらの詩は戦後に書かれたものだろう。第一詩集とあってか、意気込みと気負いとが感じられる詩群である。後の代表作―例えば「わたしが一番きれいだったとき」などと比べると、時空間やスケールの大きさは感じるものの、幾分観念的な感じも拭えない。もっとも、冒頭に置かれた「魂」などは(これ一つというわけではないげ)、希望が表象されて⇒2026/02/02
めしいらず
52
穏やかな時代に、爛熟し腐り果てる果実を、視る。単調な日々の、ほんの些細な一片に、沸き立つ強い感情を通わせることの、そうあり続けることの、至難。自分にこそふさわしい、生きる意味を、しつこく、しぶとく、探索し続けなければならない。日々に流されぬように、埋もれぬように。2015/07/22
kanata
25
高校生の頃、「わたしが一番きれいだったとき」で彼女の詩が好きになり、音読してもいいし、折に触れ詩集を読みたいと思っていた。今がその時という気がして、毎週1冊読んでみることにした。第一詩集「対話」。戦争の時代を経験した人の感覚が生々しく感じられる詩が多い。貧しさ、明るさ、賢明さがそこかしこに溢れている。「小さな渦巻」の≪たくさんのすばらしい贈り物を/いくたび貰ったことだろう≫ ≪私もまた ためらわない/文字達を間断なく さらい/一篇の詩を成す/このはかない作業をけっして。≫ 詩と向き合う決意表明が清々しい。2019/07/22
りえこ
20
茨木のり 子さんの詩は、苦しいことや辛いことも含まれているので、はっとさせられて好きです。2015/03/16
つくし
6
茨木のり子さんの詩は、人がひとり、生きていることのささやかでありつつも確かな重要性をひしひしと感じさせる。そして自分自身の価値を見つけ、強かに生きている茨木さん個人も垣間見える。律せられます。2020/11/27




