目次
原子童話
雪崩のとき
祖国
感想
挨拶
天馬の族
繭
夜話
百人のお腹の中には
よろこびの日に〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
瑪瑙(サードニックス)
33
石垣りんさんのお名前は存じ上げていましたが、作品は読んだことがありませんでした。紹介してくれた読友さんに感謝です。衝撃的でした。こんなにも鋭い感性と鋭い言葉で綴られた詩を知りません。胸の内に突き刺さって言葉がありませんでした。2022/05/12
おおた
8
60年前の銀行員の言葉は今でも刃物のように鋭く、うずたかく詰まれたわらのように暖かで、北風のように厳しく、南風のようにやさしい。俳句ではそれまで詠まれた句の全てを前提として詠まなければいけないと聞いたが、わたしたちも石垣りんの言葉を踏まえて学び働き生きるべき。2014/12/16
SIGERU
4
石垣りんを久しぶりに読みたくなり、三冊続けて読了した。総括としてレビューしてみたい。1920年生まれのこの詩人は、私にとって、平易な言葉で鋭く人生を剔抉してみせる偉大な先達。それでいて、何でも話せそうな気さくなおばさん。そんな存在だった。「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」「シジミ」「表札」「崖」などの名品は彼女の詩作を代表するもので、これだけを読んでも充分、石垣りんという天性の詩人の凄味を知ることができる。思潮社の「石垣りん詩集」でのみ彼女を知っていた私もまた、そう思い込んでいた一人だ。2017/10/08
Takao
3
1959年に出された石垣りん第一詩集の復刻版(2000年10月、童話屋より)。収録されている詩には戦争を想起させるものが多々あった。1951年1月と記されている「雪崩のとき」という詩には「武装を捨てた頃の/あの永世の誓いや心の平静/世界の国々の権力や争いをそとにした/つつましい民族の冬ごもりは/色々な不自由があっても/また良いものであった。/平和/永遠の平和/平和一色の銀世界/そうだ、平和という言葉が/この狭くなった日本の国土に/粉雪のように舞い/どっさり降り積っていた。」という一節があった。2015/02/05
鈴木律
2
石垣りんという、お名前が素敵だなあと、まず思った。どういう方か全然知らずに読んでみたら、とても力強い言葉の数々。生きること、生活することに真っすぐで、静かな炭火のような人かなあと思いながら読了。2017/09/04