エヴリブレス

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  • サイズ B6判/ページ数 313p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784887451957
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

時が流れても変わらないもの。それは、人が人を思う気持ちと魂が震えるような感動。 音楽・映画がそうであるように、時代がいかに進化し、コミュニケーション・ツールが豊かになろうと、人の心を打つものには、普遍的な人間の心の動きが根底にあります。 深い思いの中で交わした瞬間のまなざしや共鳴しあった2人の呼吸(BREATH)。 時代がさらに流れ、ますます技術が進んでも、人間の心は、その大切さを忘れずにいられるのだろうか? その問いが、この小説のベースに流れています。 

【ストーリー概要】
今の自分ではない、もう一人の自分……。そして、もうひとつあったかもしれない恋……。
主人公・久保杏子(27歳)は、証券会社に勤務し、金融業界において数理解析の専門家(=名称クオンツ)として新しいプログラムの企画開発に従事している。やりがいはあるが、いつか自分なりの理論で、新しい未来を描けるようなプログラムを創りあげたいとも考えていた。
そんなとき、ふとしたきっかけで杏子はPC上の仮想社会(名称「BREATHブレス」)に自分の分身をつくることになる。分身・杏子は、その世界で野下洋平という男性と運命的な出会いをする。野下洋平(通称トシオ先輩)とは、かつて杏子が16歳のときに恋をした相手だ。お互いに思いを伝えることなく、そのまま離れ離れになってしまっていたが、彼への深い尊敬の念に包まれた特別な感情は、10年たった今でも常に杏子の心の奥に存在していた。
分身・杏子は、現実の杏子とはまったく違う道を歩み、ラジオのパーソナリティとして活躍している。そして、その世界で野下洋平の分身に出会い、まるで現実の杏子の思いを投影するかのように、思いを深めていくのだった。その情熱は、静かに現実と仮想の世界を変えていく。
やがて杏子は、金融業界から大学に戻り、新しい学問である生命金融工学の研究者として地位を築き、生命価値の未来を描いていく。
気がつけば、それは、16歳の夏に、トシオ先輩が指し示してくれた未来だった……。
――思いは時空を超えるのか?
――杏子が未来に伝えたかったことは?
――そして杏子自身の愛は伝えられたのか・・・?
――杏子の思いは、限りある人生と永遠の愛に何を残していくのか
物語は杏子の子供・孫の世代まで時代が及び、思わぬ展開をみせていく。

間近に迫ったオール・デジタル、オールIPの時代、垣根を越えたメディアの再編が進行しています。その中で、『TOKYO FM』は、いち早くインターネットはもとよりデータ放送、デジタル放送など、様々なインフラ、プラットフォームとの連携を模索してまいりました。
オール・デジタル、オールIPの時代が意味することは、ワンソフト・マルチキャスト、つまり伝送手段の多様化に他なりません。ひとつの作品を、様々な伝送手段で、様々な端末へ送り届けることができるようになっていきます。これらにより確かに、届ける方法、受け取る手段が多くなる利便性はあるでしょう。ビジネスのあり方も大きく変化するかもしれません。
しかし、その環境の中で「何」を「どう」届けるのか、言うまでもなくそこに原点があります。
今回、デジタル時代に向けたTOKYO FMの様々な活動に関心をお持ちいただいいた瀬名秀明さんとの貴重な出会いにより、素晴しい作品が生まれました。
瀬名秀明氏は、「BREATH=人間の呼吸」をキーワードに、現実と仮想社会、ラジオメディアの持つコミュニケーション文化、そして脳科学、金融工学の未来を大胆に予測し、そして見事に恋愛小説に昇華されました。私たちは、この作品創りを通じ、その原点の大切さをあらためて確認いたしました。『 時を刻んでなお豊かになる「音楽」と「言葉」、そしてそこに込められた人の「想い」や「心」を伝えていくこと 』が原点であるということを。
「Every Breath」――。ラヴ・ストーリーとして、「いのち」と「永遠」をめぐる未来小説として、またラジオから流れる音楽の変遷にも注目しながらお楽しみください。

《瀬名秀明氏コメント》
「ラジオとのコラボレーション、しかもメディアをクロスし、様々な形でこの作品が展開されること、そしてラブストーリーであるということ、この2点が、自分には経験の無い新しいことへの挑戦だったので、非常に新鮮な気持ちで、楽しみながら取り組ませていただきました。 
『Every Breath』に描かれている物語は、ラジオが、自分の居る場所とは別の「もうひとつの世界」へと繋げてくれるメディアだと考えて構想したものなので、リスナーの皆様にも、読者の皆様にも、そのロマンティックな世界観を楽しんでいただけたらと思っています。」

内容説明

もうひとつの世界で永遠に終わらない恋が始まった。『パラサイト・イヴ』『BRAIN VALLEY』を世に送り出した異才瀬名秀明による、ピュアでリアルなサイエンス・ラヴ・ストーリー。

著者等紹介

瀬名秀明[セナヒデアキ]
1968年1月17日生まれ。1996年3月、東北大学大学院薬学研究科(博士課程)修了。薬学博士。1997年~2000年宮城大学看護学部講師。2006年1月~東北大学機械系特任教授。仙台在住。1995年、『パラサイト・イヴ』で第2回日本ホラー小説大賞受賞。1998年、『BRAIN VALLEY』で第19回日本SF大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

がらは℃

4
仮想世界と現実が曖昧になっている未来世界(とそこに到るまで)の物語。世界観に適した物語であり、仮想世界の可能性と刹那さを感じた。ただ『明日のロボット』でロボットの哲学を描ききったように、仮想世界の世界の哲学というかジレンマみたいな事をもっと描いてほしかった。そのせいか、世界観が希薄に感じてしまった。いや、それが狙い??2010/01/12

せっきー

3
パラサイトイブを書いた瀬名さんの作品に挑戦。少し難しい内容だったが、何か感じるものはあった。ラジオというメディアが大切にされていてうれしい。2016/02/16

うめけろ

3
うーん。面白くなかったです。設定が難しくて、想像力に欠ける僕としてはちょっとついていけませんでした。何となくはイメージできるのですが、最初から最後までふわふわした感じで、登場人物の個性にも特色と言うか、差がなくて、つかみどころのない作品でした。2013/01/28

カール

2
哲学的な記載や科学の説明がとても多いし、物語も私の中の何とも共鳴することがなくて、読んでいて楽しくなかったです。ところどころは解かるけど全体としてよくわからない・・・作者が思うままに書いているのを強く感じて、読後は小劇場で難解な演劇を観たときと同じ印象でした。ただ、仕事をしている母を書いた絵のところはよかったです。2013/02/15

mink

2
不思議で懐かしくて切ない質感の物語でした。 自分の中で、やはり瀬名秀明は裏切らないなぁ…と思った。 どの作品にもその作品の良さがあります。他作品と比べるなんてナンセンス。2011/02/20

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