内容説明
途上国の経済が発展するときに、農業部門と工業部門の間で、どのようなルートにおいて、どれだけの数値の、モノ、カネ、ヒトがどのように動くのか、またそれらはなぜ動くのか、そのメカニズムを明らかにすることは極めて重要である。このメカニズムが明らかになれば、どのような開発政策・計画によって、どれだけのモノ、カネ、ヒトをどう動かせば、経済発展がスムースに進むかが明確になる。本書は、これら3つのうち、モノとカネの動きを中心に扱う私の研究の成果をまとめたものである。
目次
農工間資本移動の基礎概念
日本の経済発展と農工間資本移動
台湾の経済発展と農工間資本移動
途上国の経済発展戦略としての農産物高価格政策と農工間資本移動
農工間資本移動における農産物高価格政策と低価格政策の比較
農工間資本移動と農産物価格政策の関係についての図形的考察
日本の経済発展における米価の推移と農工間資本移動
経済発展過程における農工間関係―その理論と韓国・ブラジルの実証分析
一次産品輸出型経済発展と農工間関係―その理論とブラジルの実証分析
寺西推計の方法とその問題点
農業生産変動の経済的影響と価格介入
経済学における消費者利益と損失の評価
著者等紹介
山下景秋[ヤマシタカゲアキ]
昭和25年大阪生まれ。昭和52年東京大学農学部農業経済学科卒業。昭和52年東京大学大学院農学系研究科(農業経済学専攻課程)入学。昭和54年同博士課程進学。昭和57年同博士課程単位取得(満期退学)。昭和62年産能大学総合研究所講師(平成4年まで)。昭和63年産能短期大学講師(平成8年まで)。平成3年国士舘大学政経学部(一部)経済学科講師(平成8年まで)。平成8年倉敷芸術科学大学国際教養学部教養学科助教授(「開発経済論」、「アジア経済論」、「地域研究」などを担当)。平成11年倉敷芸術科学大学大学院人間文化研究科助教授(「途上国経済研究」担当)。平成14年4月同大学・大学院教授。専攻は、途上国経済発展論。アジア経済論。研究テーマは、「途上国の経済発展と農工間関係」、「途上国の農産物価格政策」、「途上国の経済計画」、「途上国の開発プロジェクトの経済・社会評価」、「途上国に対する経済援助」等に関する研究
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