内容説明
日本の近代化は、欧米先進諸国にかなり遅れて行われ始めた。これらの諸国に一日も早く追いつくために、日本では教育の力が非常に重視され、近代教育は、きわめて強い国家の管理の下に発達した。そのため、教育の歴史を見るとき、中央の政策や制度の研究は基本的なことであろう。しかし、中央の政策や制度・内容は、地方の教育の実態を強く規制する力を持ってはいるが、教育の実態そのものではない場合が多々存在する。教育史研究の本来のあり方は、教育の実態そのものを明らかにすることであり、その意味で、地方教育史の研究は、最も基本・基礎的なものであるといえよう。
目次
序章 地方資料と教育史
第1章 ある旧制中学校の校務日誌―敗戦直前・直後の記録より
第2章 愛知県最初の外国人教師A.イングリス
第3章 近代学校の設立―愛知県下稲沢地域
第4章 愛知県最初の公民館―桜井村公民館成立事情
第5章 大名好学の周辺―『尾州御小納戸日記』より見た
第6章 「ふさ覚書」―中島三伯文書の言問い
第7章 渡辺龍聖『乾甫式辞集』に見られる実業専門学校経営論
第8章 二つの事前照会文書―イールズの名古屋大学来訪
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