内容説明
プロの翻訳家が、冠詞の世界の本質に深く迫る―冠詞の世界観から、微細な違い、「揺れ」の傾向までを丁寧に解説する、冠詞の世界観を感じられる一冊。冠詞の感覚を確認できる演習問題も豊富に掲載。
目次
序論―冠詞とは何か
冠詞が名詞に与える様々な情報
名詞の分類
名詞の4つの世界
名詞の各語形がもつ本質的な意味
不特定概念の名詞の分析
一般概念名詞の分析
特定概念名詞の分析
無冠詞名詞のまとめ
固有名詞と冠詞の徹底研究
「原則」を修正させるファクター
形態と統辞上の注意
著者等紹介
猪浦道夫[イノウラミチオ]
ポリグロット外国語研究所代表。翻訳家。横浜市立大学(仏文科)、東京外国語大学(イタリア語学科)卒。同大大学院在学中、イタリア政府国費留学生としてローマ大学に留学。1986年東京外国語大学大学院(ロマンス言語学研究科)修了。在学中より12か国語の翻訳にたずさわる。1990年には企業研修会社を立ち上げ、野村証券、旧日本興業銀行、ブリヂストン、キャノン、ソニー等多くの主要企業において、7か国語の海外赴任者向け語学研修講師を務め、高い評価を得る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
minimu
30
いま話題の本! 確かにここまで深く広く冠詞を扱ったものはなかったかも。本書が独特な点は他のヨーロッパ言語との比較の中で英語の冠詞を捉えようとしていること。これまで50ヶ国語を学んだという著者にしか書けないのでは(^^;; 曰く冠詞が存在する他の言語と比べても、英語のそれはかなり独自のルールが多数あるそう。それらが複数絡むときにどのルールが優先されるかまでも丁寧に解説しています。I like catsなんてシンプルな一文から、なぜ無冠詞かを探ると「経験を重んじる英国民」の顔が見えてくるから面白い(^^)2016/04/13
アリーマ
7
上級者向けに英語の監視を概説した本。著者は元々イタリア語出身で、ヨーロッパ諸言語についてはマルチリンガルで知られた人。一般的な英語学者や英語教師らの書くものとは一味違って、他言語との対照での分析が色々入るのが興味深く、他書では説明しきれていない項目もわかりやすい切り口で出てくる。概説半分、演習問題半分という構成。例文がやや硬く不自然なことはあるのが惜しいが、一冊手元においておいても良い本だと思い、借りて読んだ後で購入した。★★★★2019/01/05
paluko
6
たいへんよく整理されていてわかりやすい。とは言っても、一読した(練習問題を一巡した)だけで全部は頭に入らないけれど…。特に、著者がポリグロットである強みを生かして他のヨーロッパ諸言語と対照しているところ(21頁など)、それから正解が必ずしも一つに決まらない冠詞の「揺れ」について丁寧に記述されているところは参考になった。2021/03/09
kabuki o.
1
本書は素晴らしい内容でとても役に立ちましたが、DHCにはfuck you🖕2021/06/26