内容説明
砂漠の中の電話ボックスに向かう中年の男と15歳の少女。浮浪者のレスは、12年前に誘拐した少女ケイトを母親に返すため、電話をかける。ケイトが、自分の手に負えないほど恐ろしい事件を起こしてしまったからだ。母親はレスの話を信じようとせず、冷たくあしらう。そんな母親の態度に、ケイトは失望を隠せない。この冷たい女の人が、あたしのお母さん?母親の記憶がないケイトは、母の愛し方も愛され方もわからないのだ。多くの不安と少しの期待を胸に、ケイトとレスはトラックに乗り込む。砂漠を抜け、3000キロのかなたにある、母親の住む森へと向かうのだ。
著者等紹介
ティレル,パトリシア[ティレル,パトリシア][Tyrrell,Patricia]
1929年英国ノーフォーク生まれ。公務員として17年間働いた後アメリカに渡り、看護師などの職に就きながら小説を書き始めた。その後英国に戻り、本格的に執筆活動を開始し、自費出版で最初に発表した作品が、2001年にサジタリウス賞次点に選ばれる。『雪どけのとき』も自費出版したところ口コミで人気が広がり、2003年にアンコール賞の最終候補に選ばれ、大手出版社より刊行された。現在、英国コーンウォール在住
今井悟朗[イマイゴロウ]
1971年神奈川県横浜市生まれ。日本外国語専門学校中退。外資系企業勤務を経て、翻訳に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。