内容説明
国際原子力機関(IAEA)事務局長、国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)委員長を歴任し、長年にわたり核・大量破壊兵器の監視・査察に携わったエキスパートとして、イラク戦争開戦直前まで武力行使ではなく査察続行を主張した著者が、当時の状況を明らかにする。大量破壊兵器の有無をめぐる各国の迷走、IAEAとUNMOVICの査察によって否定された証拠に固執するアメリカ、イラク占領後に明らかになった査察の実効性…現場を指揮した著者だからこそ書ける歴史の証左。
目次
イラクの大量破壊兵器問題―真実解明の時?
査察―なぜ、どのように、そしていつ?
氷の国から灼熱の国へ
査察活動―どのようにすべきか?
二〇〇二年十二月、イラクの申告書
バグダッド往還
迫りくる破局
中道を探して―その基準はあるか?
暗礁
ブリクス・エルバラダイ批判
危機に立つ外交―そして崩壊
戦争の後に―大量消滅兵器
著者等紹介
ブリクス,ハンス[ブリクス,ハンス][Blix,Hans]
1928スウェーデン生まれ。外務次官、外相などを歴任。1981年~1997年国際原子力機関(IAEA)事務局長。2000年国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)委員長に就任、イラクにおける大量破壊兵器の査察を指揮した。2003年6月に退任、2004年1月から独立機関である大量破壊兵器に関する国際委員会(WMDC)委員長に就任
伊藤真[イトウマコト]
1965年東京生まれ。京都大学文学部、仏教大学文学部卒。放送局勤務をへてフリーの翻訳家・番組プロデューサー
納家政嗣[ナヤマサツグ]
1982年上智大学大学院国際関係論専攻博士課程修了。現在、一橋大学大学院法学研究科教授
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