内容説明
１９７０年代カナダ。日系２世のアサコは、寝たきりの父と弟の世話が生活の中心という単調な日々をおくっている。ある日、向かいに住むヤノ家の主婦チサコが不倫相手とともに遺体で発見される。事件と同時に夫と２人の子供も姿を消した。ヤノ家の隣家の娘サチは、恋人の生死を案じてアサコを振り回す。事件をきっかけに、２０年以上も続いてきたアサコの静かな生活がかき乱され、封じ込めてきた記憶が徐々に蘇る。兄との甘美な思い出。収容所がもたらしたもの。愛情の喪失と行方…。第二次世界大戦時に強制収容され、戦後もその影を引きずらざるをえなかった日系カナダ人女性の姿を描いた、英連邦作家賞受賞作。２０００年度カナダ・日本文学賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
wattey
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日系カナダ人作家による、日系カナダ人の物語。カナダという異国と少しだけ感じられる日本のミックス感が不思議な感じ。戦争中の収容所が真っ正面からでなく、スパイスのように挟み込まれている。淡々としているのに、中味はすごく濃厚でねっとりとした感じ、ミステリーのように味わえる。2016/09/28
