内容説明
元空軍大佐の亡命イラン人ベヘラニーは競売で丘の上に建つ一軒の家を買った。しかしそれは役所の手違いで接収されたものだった。元の持ち主であるキャシーは取り返そうと手をつくす。アメリカでの生活の最後の希望である家にしがみつくベヘラニーと、新たな恋人との関係に溺れながらも家族や夫との思い出としての家に執着するキャシー。互いの意地、誤解、偏見が重なり、争いは泥沼化する。だが利己的な感情に気づき、事態は収集に向かうかと思えたが…。身内への愛情と他人への無理解。きわめて人間的なふるまいが招く悲劇。
著者等紹介
デビュース,三世,アンドレ[デビュース,サンセイ,アンドレ][Dubus,3,Andre]
1959年生まれ。テキサス大学卒業後、職を転々とする。1984年に発表した短編“Forky”で高い評価を受ける。1989年に短編集“The Cage Keeper and Other Stories”、1993年に長編“Bluseman”を刊行。本書は長編2作目となる。現在エマーソン・カレッジ、タフツ大学で創作を教えている。妻と3人の子とともにマサチューセッツ州ニューベリーポート在住。父は小説家のアンドレ・デビュース
竹内真理子[タケウチマリコ]
大阪外国語大学卒業。大阪府在住
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