内容説明
悩み多き母娘や、ふたりをとりまく女たちの生きかたを、みずみずしい筆致で描く感動の物語。
著者等紹介
ストラウト,エリザベス[Strout,Elizabeth]
アメリカのメイン州ポートランド生まれ。現在はニューヨークのブルックリンに夫と娘とともに住んでいる。10年間にわたりマンハッタンコミュニティカレッジで文学を教えるかたわら、「ニューヨーカー」誌をはじめ多くの雑誌に短編を中心に小説を発表
富原まさ江[トミハラマサエ]
1965年生まれ。北九州市立北九州大学外国語学部米英学科卒。DHC教育事業部の「プロ翻訳家養成英日出版総合コース」受講語、本書で翻訳家デビュー
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
吾亦紅
30
エリザベス・ストラウトの初の長編小説という本書。母イザベルと娘イザベルの物語。娘だった自分と、娘の母である自分にとって、まったく他人事と思えず、特に母イザベルの孤独と、再生の物語は、よく知っている自分自身の物語でもあるようだった。現在絶版となっているこの小説は図書館でぼろぼろになったものを取り寄せて読んだ。復刊を強く希望します。翻訳もこのままで。2022/03/23
ズー
16
エリザベス・ストラウト、初の長編作品。出版社も翻訳者も他の作品と違うし、テーマも若い子っぽいしどうかな?と思ったけど、さっそくシャーリーフォールズが出てきてホッとする。ここでつながってきたか!っていう驚きもあり。母娘の関係性、子育ての難しさ。やはりもうここから、誰に何が起きてもおかしくない!世界は始まっていた。ここでこうしていれば…などなど。この作品も様々な人の悲しみ苦しみ喜び気づきがあり、とても面白かった。続編描いてほしいなー。2024/02/18
ゆのん
14
ずっと読みたかった作家。やっと読めたぁ。どこにでも居るような母娘の誰にでも起こりそうな話ではあるが登場人物達の心情が手に取る様に分かる作家の書き方に驚く。微妙なバランスを保って暮らすイザベルとエイミー。ロバートソンという数学教師の登場によって一気にバランスを崩す。娘を心から愛したいと切望する一方失望し憎み、母を誰よりも側に感じたい一方憎み、恥ずかしく思う娘。エイミーは16歳だが確かにこの位の子育ては根気のいるものだ。お互いの気持ちが通じないもどかしさは他人事ではないと感じた。2017/06/06
斉藤フィオナ
10
最初はエイミーの気持ちで、まるでオフコースの唄「愛を止めないで」みたい・・・と微笑ましく読んでいた自分が後からするとお目出度い(苦笑)。生い立ちが起因すると想像するイザベルとエイミーの年の離れた大人の男性に対する憧れと妄想が痛々しく、また特にイザベルの心情が読んでいて常にヒリヒリして苦しかった。でも目線をグッと退いてみると アメリカの田舎町の人々のひと夏、こんなこともあるよね、、、と慰められた感じ。他の本も挟んでエリザベス・ストラウトと順番に読んでいきたいと思います。2021/11/21
勇ましいチビのノリ公
7
淡々と営まれる日常も悪くなかったけれど、出来事が起こった後の告白と変化とに救われた。 イザベル、しあわせになって!2011/06/01