内容説明
80年代後半の冷戦構造崩壊の影響は、90年代に入り世界各地で噴出している。なかでも特に顕著で、しかも一般的にしられていないのが誘拐事件の増加である。誘拐そのものは旧約聖書の時代から存在する犯罪であるが、90年代に入りその社会的、政治的、経済的背景と方法は、これまでの類の犯罪とは違う、まったく新しい傾向を示していることを本書は教えている。本書は実際に人質になった人々やその家族、国際的な人質事件を担当する政府職員、FBI、学者、誘拐実行犯、実際に仲介交渉にあたるネゴシエーターなど何百人もの人とのインタビューから得た情報と、さまざまな文献や記事などから構成された第一級のルポルタージュである。
目次
第1部 奪われた命
第2部 満月でもない日の狂気
第3部 十月のある日
第4部 一九九六年の人質
第5部 新しい年
著者等紹介
オーバック,アン・ヘッジドーン[Auerbach,Ann Hagedorn]
元「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙記者。アメリカ競馬界の不正事件を徹底的に調査記録したノンフィクション「Wild Ride」を1994年に発表。この出版を受けて政府当局も調査に乗り出した。現在、脚本家である夫とニューヨーク市マンハッタンに住んでいる
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