内容説明
進化、環境衛生、遺伝子、授乳、がん、豊胸―現代アメリカに生きる女性が文明批評的にからだの仕組みの自然・不自然を科学する、ちょっと気になる「まじめな話」。
目次
乳房の惑星
誰がために胸はある
哺乳はこうして始まった
乳房の配管工事のやり方、教えます
豊胸の時代
おなかのなかまで届く毒
シャンプーやマカロニが少女の思春期を早める?
妊娠と乳がんの割り切れない関係
母乳vs.粉ミルク、正しいのはどっち?
母乳のなかの聖なる細菌、何より大事な人間の腸
酸っぱいミルク
未踏の荒野にひしめくピルとホルモン剤
誇り高き小数の男性患者たち
あなたは高密度?老いゆく乳房と乳がん検診
乳房の未来
著者等紹介
ウィリアムズ,フローレンス[ウィリアムズ,フローレンス] [Williams,Florence]
作家、ジャーナリスト。コロラド大学で教鞭をとり、『アウトサイド・マガジン』の編集に携わる傍ら、『ニューヨーク・タイムズ』、『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』などに環境、健康、科学をテーマとした記事を寄稿。家族とともにロッキー山脈に暮らす
梶山あゆみ[カジヤマアユミ]
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふろんた2.0
28
皆さんの期待に反して(何を期待してるかは知らんが)、ブックカバーさえすれば、電車の中でも読める。原題は『BREASTS』。だが、邦題につられて私みたいな読者が手にとってしまうのである。私が特異なのかといえばそうではなく、女性の写真を見せれば、世の男性のほとんどはわずか0.2秒で胸に視線を移す。そうでないと言う男性は嘘をついてるか、本能で反応しているに違いない。また、大きいのが全てではないことも補足しておこう。ここまでは序章で、環境ホルモンの影響や乳がんについても言及しているが、スペース不足により割愛。2015/02/28
angelooo7
6
おっぱいの文化的考察を期待したのだが、後半は化学物質と性ホルモンで消化不良。”今あるだけでは足りないと思わせることにかけてアメリカの消費文化の右に出るものはない。”2014/12/21
Uzundk
6
こんなに近くにいたのに本当のあなた(おっぱい)のこと、私は全然分かっていませんでした。 やや外で読みにくい表紙ですが、ちょっと深い(谷間ではなく)中身の話でした。男に研究させたら見た目の話しかしやがらねぇ(ごめんなさい、でも好きなんです)ということで、生体の機能として授乳をする為に、乳房の中でどのようなことが起こっているのかをまとめている。主に有害な物質が脂肪=乳房に集まりやすく、乳がんや胎児への影響があるとする論だが、定量的な情報が不足している感じは否めず、やや恐怖を煽る感じになっている。2014/10/31
詩歌
5
生後だいぶたってから基本構造のほとんどをつくらなければならないのは体のなかで乳房だけだ。遺伝的に乳癌になりやすい人は、マンモは逆効果。自己検診訓練用のキットが売っている。使ったことあるけど、触診で見付けるのはなかなか難しい。訓練次第かな。2014/04/21
くまたん
4
科学ジャーナリズムかくあるべし! 有機化合物の名称など、専門用語がわからなくても、軽妙な語り口の面白さに小説のように読み進むことができた。 体当たり取材の顛末など、著者の実体験に基づく話も交えているところが、科学ジャーナリストの肩書に恥じぬ著作だな、と思った。2013/11/23