内容説明
世界の最先端を走る大都市NYは、その歴史遺産の保持には目もくれず、破壊と構築を繰り返しながら発展してきた。しかし、地上でのめまぐるしい変化をよそに、高層ビル群の鏡面世界に築かれた地下の巨大建造物は、静かに過去を守り続けている。開拓者たちの遺跡、水道管や地下鉄をめぐる激しい利権闘争の名残り、禁酒法時代のもぐり酒場(スピークイージー)、怪し気な実験が行われたコロンビア大学の地下ホール、それらの廃坑をねぐらとする「モグラびと」たちの生活の痕跡、そして9.11同時多発テロによる新たな都市の埋葬…実は地中にこそ、新旧とりまぜた生々しい歴史の証言が残されているのだ。地下世界を「遊び場」としてその隅々を知る著者が、数々のエピソードに約200点の図版を交え、忘れ去られた歴史の真相を掘り起こす。
目次
第1章 もうひとつのニューヨークの魅力
第2章 マンハッタンの生命線
第3章 地下鉄システム
第4章 地下の巨大建造物
第5章 秘密に満ちたトンネル
第6章 逃げ道と配管シャフト
第7章 迷宮と丸天井
第8章 地下世界の魅力
著者等紹介
ソリス,ジュリア[ソリス,ジュリア][Solis,Julia]
1964年ハンブルク生まれ。1977年よりアメリカ在住。カリフォルニア大学ロサンゼルス校にて哲学を専攻。在学中より、翻訳業と執筆業に携わる。1998年にニューヨークの地下を調査し、アーティストたちのイベントを企画するためのプロジェクト「ダーク・パッセージ」を立ち上げる。1999年よりニューヨーク地下世界についての記事や写真を定期的に発信している
綿倉実香[ワタクラミカ]
1970年生まれ。奈良女子大学大学院文学研究科修士課程修了(ドイツ文学)。出版社に勤務する傍ら翻訳業に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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