内容説明
生命を支えることから楽しみへ、あるいは採集から高度な流通へ…文明の発生・発達に応じて、人はどこで何を食べ、そしてどのように嗜好を変えていったのか?食材、調理、流通、産業などの多角的な視点で、古今東西の食文化の変遷をたどる。
目次
料理の新しい歴史
狩猟採集民と最初の農耕民―先史時代の味覚の進化
手が出るごちそう―古代ギリシアと古代ローマの味覚
完全な調和を求めて―中華帝国の味覚と美食学
食の喜び―中世イスラム料理の誕生
宴会と肉断ち―中世ヨーロッパにおける食べ物と味
新しい世界、新しい味覚―ルネサンス以降の食の流行
近代的消費者時代の誕生―1800年以降の食物の革新
シェフ、グルメ、そしてグルマン―19・20世紀におけるフランス料理
外食―レストランの発達
革新と革命―美食学の新しい展望
著者等紹介
フリードマン,ポール[フリードマン,ポール][Freedman,Paul]
イェール大学教授
南直人[ミナミナオト]
京都橘大学教授。大阪大学大学院博士後期課程中退
山辺規子[ヤマベノリコ]
奈良女子大学教授。京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまきら
23
いやはやゴージャスな本です。人間が食べるという行為に社会性をブレンドし、自己の存在をアピールしてきたことを例を紹介していて興味深いんですが、仕方ないとはいえ欧米に特化している内容でアジアについては逆に情報は乏しいように思えます。肉食と進化の関係は現在色々な仮説が出てきていて面白いんですよね~。ここ、少しつめて調べてみたいなあ。オタマさんは前から気になっていた寝ながら食べるローマ人、を実際に写真で見てあんぐり。「小さい子のきれいな髪で手を拭いたんだって」というと子供らしく憤慨していました。怒っとけ怒っとけ。2018/05/07
すがし
0
恐ろしいほど大部の研究書。多少翻訳の怪しいところはあるが、その緻密な考証は、読むものに今、ここではないところに生きる人々の食事風景を生き生きと想像させるに足るものである。2010/06/25