内容説明
これは、もの言わぬ戦争犠牲者たちのため、涙と怒りでつづった告発と鎮魂の歌だ。―半世紀前、大戦下の動物園で何が起こったか。決戦の巻きぞえにされた生きものたちの、毒殺・絞殺・銃殺・餓死…その現場をありのままに再現。
目次
1 戦争が近づきつつあったあのころの動物たち
2 戦火のかなたに消えていった動物たち
3 平和になったのに殺されている動物たち
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
3
昭和史の闇の一つである、「戦時中の動物園における、動物達の処分」を丹念な取材で追求した労作。単純に悲劇として振り返るのではなく、もっと根源的な人間と動物との関係にも触れている。俗に軍の差し金と思われる処分が、実際は内務省の政策だったらしいとは初めて知った。一般的なイメージと違って、毒殺は意外と少なく、縄やワイヤーによる絞殺や、槍での刺殺、猟友会による射殺など色々な手段が執られていたようだ。少年時代に上野動物園の動物達を愛した著者による、魂の叫びのような本だが、千々に乱れている思いが随所に出ているのが切ない2012/05/09
でん
0
なんとなく言いたいことは分かるんだけども、後半の方筆者自身が論理破綻しているのと、「日本という、三度の飯より戦争の大好きな軍人めらが支配する軍事大国」云々のくだりが非常に気持ち悪かった2013/04/25
ねこつばき
0
面白く、考えさせられる題材なのだが、作者の主張が少し前に出過ぎていて鼻に付くのが難。2011/01/29