内容説明
知の大転換の劇をこの一冊に凝集。華やかな「美のルネサンス」に隠されがちな「知のルネサンス」の大いなる展開をプラトン主義を核に鮮烈に提示。各分野第一線研究者が総力を結集した充実の学際研究。
目次
ルネサンスにおけるプラトン主義の諸問題
「宇宙の美」に関するノート
信仰の都市化―聖トマスの場合
ガスパリーノ・ダ・バルツィッツァの修辞学再編
ルネサンスの呪力魔術―フィレンツェ・プラトン主義を中心に
『イデアの影』におけるジョルダーノ・ブルーノの影の思想と新プラトン主義
フィレンツェ・プラトニズムとクリストフォロ・ランディーノの文芸批評
プラトン・アカデミーとオルティ・オリチェッラーリ―メディチ=指導者像形成の過程
レオン・エブレオにおける自然とスペイン牧歌小説
カルダーノと夢解釈
ルネサンス期イタリアにおける民衆の知的状況について
太陽崇拝思想と太陽中心説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
evifrei
4
論文集。人文や哲学の他、ルネサンス期における少年達の就学状況などルネサンス社会全体の横断的な研究を対象に収録する。就学状況についてであるが、少女は家庭外で学問に携わる事が認められていなかったため主に10~14歳の男子学生が就学したようだが、少年達全体の60~65%程度という高確率で就学しており、知的水準は割合高かったようだ。プラトン主義や新プラトン主義を哲学的なベースとする古典主義や人間主義などがルネサンスの特徴だが、魔術や夢解釈など光のあたらない神秘的なものに対する興味も強く持たれていたらしい。2019/10/09