出版社内容情報
☆第14回『ロドリゲス通事賞』受賞!
この賞は日本で出版されたポルトガル人作家の作品の翻訳本やポルトガルに関連するテーマの作品に毎年与えられるものです。2006年9月8日にポルトガル大使館で授賞式が行われました。
『史学雑誌』書評から(2005年9月号)
本書は,ポルトガルの歴史上の人物としては,わが国においてもヴァスコ・ダ・ガマ等と並んで最も著名な人物であろう親王ドン・エンリケ,世にいう「エンリケ航海王子」(1394-1460)についての,わが国におけるポルトガル史研究の第一人者による評伝である。本書を,大航海時代開幕期における一つの生き様と,歴史上の人物や事件が後世どのように評価されて現在に至るかについての優れた考察の書として読了した後は,わが国において紹介される機会の少ない中世後期ポルトガル史に関するまたとない入門の書として座右に置くことができる。幅広い読者諸兄が本書を一読されることを願ってやまない。
『週間読書人』書評から(2004.03.26)
挑戦的で刺激的―等身大の人物像を描く
...本書は挑戦的であり刺激的である。...ポルトガルのエンリケ航海王子の人物像は和辻哲郎や司馬遼太郎によってステレオタイプ化されてしまっていた。本書はそれをみごとにくつがえしているのみならず,15世紀ポルトガルの当時の人々の考え方,感じ方,行動様式を映し出す人物としてエンリケを描く,つまり同時代における等身大の人物像を描こうとして成功しているからである。
内容説明
本書では、宮廷での権力争いを避けてただひたすら新しい世界を切り拓くことに専念したという理想化されたエンリケではなく、中世末という危機の時代に西アフリカへの進出を企てる一方で、モロッコ侵略を試みて人質の弟を見殺しにし、兄と国王の対立では兄を見捨てて甥の国王に恭順し、移動する宮廷を追って国内各地を転々と旅して国王からさまざまな特権を得る生身の、等身大の人間としてエンリケを描く。
目次
第1章 中世の秋
第2章 アヴィス王朝の成立
第3章 セウタ攻略
第4章 大西洋諸島の植民
第5章 タンジールの悲劇
第6章 ペドロの摂政期
第7章 最後の十字軍
付録(エンリケの肖像画をめぐる謎;エンリケ伝説の創出)
著者等紹介
金七紀男[キンシチノリオ]
1940年、中国(旧満州国)に生まれる。東京外国語大学ポルトガル・ブラジル語学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得中退。東京外国語大学教授を経て現在、天理大学国際文化学部教授
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感想・レビュー
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