目次
第1部 フィレンツェ公国の誕生とコジモ一世の時代(フィレンツェ公国の誕生;コジモ一世の権力強化と十六世紀半ばのフィレンツェ公国;栄誉を目指して)
第2部 アカデミア・フィオレンティーナ(コジモ一世時代の文化的環境;アカデミア・フィオレンティーナの誕生;アカデミア・フィオレンティーナの組織;アカデミア・フィオレンティーナの改革)
第3部 文化政策と知識人(権力の正当化―一五三九年の祝祭;ベネデット・ヴァルキ;公国印刷所―ロレンツォ・トレンティーノ;「エトルリア神話」とフィレンツェ称揚)
著者等紹介
北田葉子[キタダヨウコ]
1967年東京都に生まれる。東洋大学文学部卒業、慶応大学大学院文学研究科修士課程・博士課程修了、2001年博士(史学)取得。1992年から1996年までフィレンツェ大学留学(イタリア政府奨学金留学生)。1999年より福岡女子大学講師。現在、同大学助教授
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感想・レビュー
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ik
2
メディチ宮廷のプロパガンダ美術と合わせて読むと角度が違ってどちらも二倍楽しめた
人生ゴルディアス
2
共和制から君主国に移った数少ないフィレンツェの、文化政策などに焦点を当てた本書。ただし、講談社学術文庫『フィレンツェ』のようにごりごりの美術史ではなく、あくまで政治と文化の絡みを取り扱う。読みやすい。それにしてもコジモ一世はすごかったのだなあと思う。メディチ家の直系ではなく、しかも君主と名乗るには祖先が100年前にはまだ商人で、よく正当性を担保できたなと(実際フェラーラの君主に馬鹿にされている)。トスカーナ公国の権威を高めるためにエトルリア神話とか怪しげなものを持ち出したりするのも、むべなるかな。2016/09/26