出版社内容情報
植民地時代アメリカの実話。捕虜となり生き残った2女性の見たインディアンの心と生活。牧師夫人の手記とインディアンの養女となった少女の生涯。しばしば不幸であった両者の関係を見なおすために
内容説明
植民地時代アメリカの実話。捕虜となった2女性の見たインディアンの心と生活、戦争、儀式…。第1話は牧師夫人の手記、第2話はインディアンの養女となった少女の生涯。映画『ダンス・ウィズ・ウルブズ』の世界をよりリアルに…。
目次
1 メアリー・ローランソン夫人の捕囚と救済の物語
2 メアリー・ジェミソン夫人の生涯の物語
インディアン捕虜体験物語に見るアメリカ―解題にかえて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
western
6
戦争時にインディアンによって捕虜とされ、約3ヶ月の過酷な移動生活を強いられたピューリタン女性メアリー・ホワイト・ローランドソンの物語と、幼い頃に家族を殺されてセネカ族に迎えられ、生涯にわたって部族社会の一員として生きることになったメアリー・ジェミソン夫人の物語の、ふたつの代表的な Indian captivity narrative を収める。特に後者は読み物としても非常に面白く、一インディアン女性の視点から、インディアン社会がその残酷さも含めて肯定的かつ明晰に語られる。訳者による解説も充実していた。2018/09/08
印度 洋一郎
6
植民地時代のアメリカで、インディアンの捕虜になった女性の体験記の中で、代表的な二つを紹介。一つめは17世紀の牧師の妻の約三ヶ月に渡る虜囚記。インディアンを「残虐な悪魔」と呼び(子供を斧で殺し、大人には全身を切り刻む拷問も)、常に降りかかる困難を「神の与えた試練」と解釈して耐えるという宗教的な内容。二つ目はその約百年後の独立直前に襲撃されて家族を皆殺しにされ、別の部族に売り飛ばされて、その部族の一員として生涯を送った女性の自叙伝的内容。セネカ族の社会やインディアン視点のアメリカ独立前後の状況が伺える2017/06/13
miho
2
手記そのまんますぎて、女の主観的事実しか分からなかった。それにしても事あるごとに神に祈り感謝してることに感心してしまう。神様に対して信者が、与えられる以上を要求したり苦言を呈することもないキリスト教の構造のほうに興味が湧いた。2015/03/16