出版社内容情報
"ドイツ中世史家たちのたしかな目が多くの史料から読みとる新しい日常史。普通の""中世人""の日常と心性を描くが,おのずと重厚なドイツ史学の学風を見せて興味深い"
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
六点
15
購入から3年目にして読了。原著は1985年に出版されており、「アナール学派」の「心性の歴史」により中世の諸階層の生活をビビッドに描き出す。城の大広間は貯水槽の天井兼用で、まれに崩壊事故がよくあるとかね。守備兵の人数は思いの外少ないと言う騎士の城における生活は実に興味深いものである。商人は結構高ストレス環境で、子女に跡を継いで欲しくなかった、そして、圧巻なのは「ドイツ中世都市におけるペテン師・売春婦・無頼の徒」である。目が覚めるほどの面白さであった。中世とドイツに関心がある人には堪らんものがある。2021/05/23
なかち
2
騎士の城は防衛のために斜面とかに作る、小さくて狭くて湿気ていて寒い。祝宴や馬上試合は貴族の家で。戦争の損害リストで生活者の家具類がわかる。中世後期になると騎士はどんどん貧乏に。農民は市民の9割にも関わらず、文学では愚かな民として描かれる。農民は民間信仰とキリスト教がまぜこぜ。商品は儲け主義とキリスト教道徳とで板挟み。手工業者は日雇い。懲罰簿や犯科帳で下層階級がわかる。偽乞食が問題になっていた。女性の服装は法で規制されていた。2011/06/23
もち
1
-商人の心性2020/07/01
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- 和書
- 灰色のミツバチ