出版社内容情報
ナチズムとその世代を非難すれば足りた時代が終り,あの時代を生きた平凡な民衆のレベルで第三帝国を視つめると,まったく新しい歴史が現れる。歴史と民衆,支配と民衆,新たな視点を提起する
内容説明
ヒトラーとその手下の罪を追求する時代は終った。ヒトラーの登上した1930年代が、ドイツ民衆にとって“良い時代”として語られている事実、われわれはそこから歴史学を見なおし、民衆史を構築しなければならない。ヒトラー神話、ホロコースト、ナチ突撃隊etc。
目次
はじめに―問題の所在
1 ナチ突撃隊の役割―政治的暴力とナチの政権奪取
2 ナチ時代の農村生活―ヘッセン州ケルレ村の場合
3 第三帝国の若者たち―制服とドロップ・アウト
4 ヒトラーと民衆―ヒトラー神話、その虚構と真実
5 ナチのユダヤ人政策―ホロコーストへの道
6 第三帝国における社会的、生物学的異分子―社会ダーヴィニズムとナショナリズム
7 よい時代・悪い時代―第三帝国の回想
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
4
1980年代半ば、イギリスの歴史雑誌に連載された研究者の小論集。その頃、ナチスに関する研究の中で注目されてきた生活者、庶民目線の時代認識を考察するという共通テーマで、突撃隊、農村、ナチに反発する若者、ヒトラーへの崇拝、ユダヤ人政策、ユダヤ人以外に迫害の対象となったもの、あの時代のイメージなど八本の論考が収録されている。ここで紹介されている庶民の声は、ナチス時代は「戦争が始まるまでは、失業と社会不安に満ちたワイマール時代よりも良い世の中」であり、「その思想には興味がないが、不満もないので反対もしない」という2020/12/14
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