出版社内容情報
伝説のデザイナー、倉俣史朗の作品と思想を読み解く論考集。時代の空気感や同時代に活躍したデザイナーの証言をもとに、作品の背景に隠された倉俣の思想に迫る。雑誌「商店建築」にて連載された、「倉俣史朗を再読する」に秘蔵の作品写真を多数加え再構成した、倉俣評の決定版。
目次
1 少年時代の記憶から(建築デザインへの批評となり得ていたインテリアデザイン;倉俣史朗の少年時代から考える、デザイン思想と現代につながる技術;職能が交錯する60年代のデザイン業界で百貨店設計室から独立)
2 アーティストと共に(「空間から環境問題へ」―議論を呼んだFRP活用;起点になったサパークラブ「カッサドール」が街中へ;60年代のミニマルアートの影響を受け変化する日本のインテリアデザイン)
3 アートとデザインの境界で(家具・什器から空間へ、倉俣史朗の「光の軌跡」;落語好きな倉俣が三題噺に喩えた引出し、時計、そして階段;目に見えない「重力」に抗ったエンターテイメントな空間演出)
4 デザインからの解放とは(「アートか、デザインか」―境界線を超えていく倉俣のデザイン;ソットサスの「メンフィス」へ参加して、デザインから解放された倉俣;倉俣による80年代の空間デザインを美術館がコレクションする時代へ)