内容説明
普通でちょうどいい。住宅、別荘ほか15作品を紹介。
目次
七つの住宅(明月谷の家;扇ガ谷の家;秋谷の家 ほか)
七つの別荘(Rei Hut;クリフハウス;上総の家2 ほか)
美術館の中にしつらえたすまい(museum as it is)
座談会 中村好文の世界(三谷龍二+山口信博+編集部)
著者等紹介
中村好文[ナカムラヨシフミ]
建築家・家具デザイナー。1948年千葉県生まれ。1972年武蔵野美術大学建築学科卒業。設計事務所勤務の後、都立品川職業訓練所木工科で家具製作を学ぶ。1981年レミングハウス設立。1987年「三谷さんの家」で第1回吉岡賞受賞。1993年「一連の住宅作品」で第18回吉田五十八賞「特別賞」受賞。1999年より日本大学生産工学部居住空間デザインコース教授
雨宮秀也[アメミヤヒデヤ]
写真家。1959年東京都生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。写真家梅田正明に師事後独立。陶器、漆器、家具など生活にかかわるプロダクトを主に撮影(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
33
有名建築家の奇抜な家。みてると住み心地が悪そうと感じる家が多い。中村さんの「普通の家」は、建築家にとっては「どうだ、凄いだろ!」と名誉欲が満たされないだろうけれど、住む人にとっては最高の家。大好きな方ですが、今回は沢山の家が掲載されていたからか、階段の多さにひいてしまいました。高齢者や足腰の弱い人には厳しい。最後の三谷さんと山口さんの対談が面白かったのですが、山口さんの「ハウスメーカーの住宅は奥さん主導。お父さんは居心地が悪い」には女性としては反論したい。家の住み心地は女性目線で設計出来るかではと思う。2024/03/23
Books1419+
10
住んでいて、飽きない住まい。使い込むと程よく味が出る。奇をてらった物ではなく、普段着の住宅。こんな感じが好きな人は多いと思うけど、周りで建築家と家を建てた人を知らない。何故だろう? 建築家と家を建てるという選択肢を最初から考慮していないのだろうか?職場で最近家を建てた若い人に聞いてみよう。 自分が、家を建てるなら、やはり建築家だな。2013/11/01
ユウティ
6
ゆったり落ち着く読書だった。建てたあとそのなかで続く暮らしのことを想像してくれる建築士さんなんだなあと思った。明るい木材に気張りすぎない家具、フタつきの収納、なんだか優しく入る外の光。著者にピンときたきっかけのシンクに渡すまな板もある。ベランダに繫って光が入り、暖炉もある土間が好き。(実家が土間なので絶対いらないと思っていたが)LEMM HUTは外観と芝が祖父母の家みたいで安らぐ。いつかこんな家に住めるようになりたい。皆川さんとのコラボの京の温所に行きたいなあ。どんな心地で居られるのか味わってみたい。2020/09/03
bunboo
5
中村好文さんの住宅、すごく好き。こんな家に住める人は幸せだなあ。タイトルに普通の住宅、普通の別荘ってあるけど、こんな素敵な家、中々無いと思う。写真や図面がたくさん載っていて、空想しながら読んだ。夕暮れ時の写真がとてもいい。2022/07/08
ロピケ
5
「普通」って案外難しい。普通で十分って思うんだけれど、人によって普通の感覚も違うし。建築家の人も普通にって頼まれても、どう普通にしようか迷うだろうな。中村さんの普通には「エンケル(スウェーデン語)」と、「パティーナ(英語)」が入っています。この二つの入った普通は素敵そうです。自分の身分では、「普通の別荘」は持てないですが、「普通の住宅」は夢として持っていたいなあと思います。何といっても、家に灯る明かりが魅力的でした。いつもながら中村さんの文章(特に「まえがき」)にほれぼれ。2011/10/01