内容説明
この本は、世紀末ヨーロッパの文化事情を中心に、カフェの始まりから今日に至る300年のカフェ文化の物語である。ウィーンをはじめとして、東欧諸国から西はリスボンまでの、今日でもなお営業している34のカフェの―その全盛期の―歴史的エピソードをつづったアンソロジーであり、カフェ文化からヨーロッパを楽しむ旅行案内書でもある。また、印象主義的なムードあるカラー写真が豊富にちりばめられ、カフェ一つ一つの個性が魅力的に表現されている。
目次
開かれた親密な場
イタリア(カフェ・グレコ―ゲーテも訪れたローマのドイツ館;カフェ・フローリアン―共和主義に忠誠を誓ったカフェ ほか)
ハンガリー(カフェ・ジェルボー―プラリネやドラジェが自慢のケーキ店;カフェ・ピルバツクス―革命の遺物、若者たちのカフェ ほか)
オーストリア(カフェ・セントラル―アルテンベルクのカフェへ行こう!;カフエ・シュペール、カフェ・ムゼウムゼゼッション派の空間とアドルフ・ロースの空間 ほか)
チェコスロバキア(カフェ・スラビア―冬の時代のオアシス、チェコ文学の故郷)
ポーランド(カフェ・ヤン・ミハリク―“若きポーランド”の力みなぎる文学が根づいたカフェ)
ドイツ(カフェ・デス・ウェステンス、ロマーニッシェス・カフェ、カフェ・アインシュタイン―首都大ベルリンの文学と芸術のカフェ;カフェ・ルイトポルト―元首ルイトポルトの名をとった荘大なコーヒー城)
スイス(カフェ・オデオン―亡命者たちが集まった異国の故郷)
フランス(カフェ・ブロコップ―啓蒙主義とフランス革命、そしてベルレーヌ;カフェ・ラ・クロスリ・デ・リラ―ヘミングウェーの心を温めたカフェとラム酒 ほか)
スペイン(カフェ・デ・ヒホン―洒落男ダリも登場したマドリードの文芸カフェ)
ポルトガル(カフェ・タバレス―激動時代の論客たちの溜まり場;カフェ・ア・ブラジレイラ―リスボン―マドリード間、翼のあるカフェ)