出版社内容情報
日本の国土は、北海道から沖縄まで凡そ3000kmに広がります。そこには、人々の生業が営々と刻み込まれ、さまざまな暮しの風景が発現されてきました。それは、地上に描いた“人間の落書き”かも知れませんが、いろいろな自然条件や社会条件の下で、自らの生活を賭けた大真面目なものです。この密度の高い原風景に出会うと、心象の琴線に触れ思わず感動します。
景観は10年、風景は100年、風土は1000年ともいわれ、原風景は、何100年かにわたる知恵と工夫の結晶です。どのようにして、このような原風景が生まれたのでしょう。その風景には、ある偶然と次なる必然が、幾重にも折り重なり横たわっています。先人たちのつくり上げた原風景の懐へ、地図を片手に「旅」に出かけ、私たちの糧となるような啓示を探り当ててみませんか。
内容説明
旅に出よう!!心の中の原風景に会いに行こう!幾世代もの人々の暮らしと営みが、さまざまな自然と時の流れに対峙し、知恵を働かせ、工夫をめぐらし、創り出し培ってきた―それが原風景。カメラと地図を手に、北海道から沖縄まで歩くこと半世紀余り。99の原風景が内包する自然と歴史の必然と偶然、人々の生の息吹を、撮り、書き記した出色の書。
目次
小樽―運河の残照 北海道
函館―北海道の表玄関 北海道
黒石―こみせの温もり 青森県
村田―紅花商人の在郷町 宮城県
角館―杜に包まれた城下町 秋田県
増田―内蔵を秘める 秋田県
酒田―山居倉庫が語る 山形県
銀山温泉―大正浪漫漂う万華鏡 山形県
手向―修験道の奥義 山形県
杉山―仲良く並ぶ蔵 福島県
喜多方―蔵三昧の在郷町 福島県
大内―茅葺屋根が整列する 福島県
栃木―河岸に連なる蔵屋敷 栃木県
小幡―堰の流れる城下町 群馬県
川越―小江戸の店蔵 埼玉県
佐原―利根川東遷の申し子 千葉県
佃島―東京湾の原点 東京都
下関―宿駅の豪農屋敷 新潟県
出雲崎―切妻妻入の連なる家並 新潟県
荻ノ島―環状の集落 新潟県〔ほか〕
著者等紹介
近藤正文[コンドウマサフミ]
1946年、岡山県に生まれる。京都大学工学部卒・同大学院修了。環境計画、都市計画を学ぶ。日本住宅公団に入社。団地の計画・設計やニュータウン計画に携わり、コーポラティブハウジングや幕張新都心(住宅地区)も担当。この間、すまいづくりやまちづくりの仕事を進める上で、日本、ヨーロッパ、東南アジアの町を数多く訪ねる。一級建築士。趣味に、絵画、山、写真、陸上競技、車、陶磁器鑑賞、金継ぎ、京料理など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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