出版社内容情報
自然がたたえる無限の色彩と、卵殻の輝きとが織りなす、懐かしき幻想の世界。
巻末で卵殻モザイクの作り方をわかりやすく解説。
普及版として復刊。
卵殻モザイクとは?
伝統的には、漆に卵の殻を塗り込め、磨きだし、卵の殻で図案を作る工芸としてつづいてきた。正倉院の御物の一部にも使われている。
それが、昭和初期、矢崎好幸博士によって「着色卵殻」の技術が開発されて以来、桑原浜子によって、近代なる絵画的技法として新に発展することとなった。
目次
作品(林の道;搗屋の裏;霧の林;福寿草;黄金の林 ほか)
私と卵殻モザイク
解説・『卵殻モザイクとカゼックス工芸』について
卵殻モザイクの作り方
著者等紹介
桑原浜子[クワバラハマコ]
1912年11月17日東京に生まれる。父の死により、母の故郷甲府で成長する。2008年1月3日御逝去。甲府市内の病院にて(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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遠い日
2
初めて観る「卵殻モザイク」というアート。ところが解説によれば、「卵殻モザイクとは、昔からの日本の伝統工芸の一つとしてつづいてきたもの」だという。それを発展させて、誰にでもできる着色卵殻の技術の発明により、絵画的な表現がしやすくなったそうだ。とにかく美しい桑原浜子さんの作品たち。奇を衒わない自然の姿。植物や鄙びた風景。卵殻の処理方法も載っているけれど、気の遠くなるような工程だ。小さな破片を選び、色を着け、絵として成立させていく。超高度な貼り絵だが、こなれて凝縮された美があることに感嘆しました。2023/01/06