内容説明
在日朝鮮人文学を代表する詩人として広く知られる金時鐘。しかし、かつて金時鐘が語った言葉には、「在日二世」である著者にとって、共感とともに見過ごせない違和感があった―。その在日観の差異とは何か。在日が在日知識人を批判的視角から論じる意欲的試み。
目次
第1章 「詩はメシ」か?―サークル詩誌『ヂンダレ』の『前期』と金時鐘(時期区分と対象の限定;『前期』における“事件”;金時鐘における『前期』;金時鐘の“在日二世騙り”;『前期』における鄭仁)
第2章 “一斉糾弾闘争”と金時鐘の“自分・在日語り”(一斉糾弾闘争の概況;一斉糾弾闘争への参入についての金時鐘の回顧的な“自分・在日語り”;闘争現場への参入に関するリアルタイムの語り―「さらされるものとさらすもの」;テクスト戦略の五―“強迫観念”が備える“威嚇効果”の積極的活用)
第3章 “一斉糾弾闘争”の方針転換以降における金時鐘の“神格化”の様相(一斉糾弾闘争の指導部の方針転換―その論理と波紋;方針転換における金時鐘の役割とその論理;“自分・在日語り”も含めた金時鐘の“超越的自己認識”;金時鐘の“自分・在日語り”と読者―“金時鐘の神格化プロジェクト”)
著者等紹介
玄善允[ヒョンソニュン]
1950年大阪で生まれる。大阪大学文学部(仏文)を卒業。大坂経済法科大学アジア研究所客員教授。関西学院大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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