内容説明
こうして、警察は冤罪をでっち上げる―。駐車違反をめぐる警察官とのささいな口論から、夫は公務執行妨害で逮捕、19日間の勾留。妻は真実を明らかにするために目撃者探しに奔走する―。突然、「犯罪者」にでっち上げられた夫と無念を晴そうとする妻が、9年余りにおよぶ国家賠償訴訟で真実を勝ち取るまでのドキュメント。
目次
築地事件現場の概略図
事件の概要と主な登場人物
第1章 事件の朝―二つのシナリオ
第2章 真実―夫婦が語る事件
第3章 築地署の取調べに抵抗する妻
第4章 塀の内側と外側―釈放までの19日間
第5章 被告都、被告国の証拠秘匿と闘う夫婦
第6章 全面対決の証人尋問、9つの謎
第7章 怒りの目撃者たち―膠着する裁判
第8章 苦い勝利―一般人が警察に勝った!
著者等紹介
林克明[ハヤシマサアキ]
ジャーナリスト。業界誌、週刊誌記者を経てフリーに。チェチェン戦争のルポ『カフカスの小さな国』で第3回小学館ノンフィクション賞優秀賞、『ジャーナリストの誕生』で第9回週刊金曜日ルポルタージュ大賞受賞。最近は労働問題、国賠訴訟、大学内身分差別などを取材している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちょびねこ
2
駐車違反をめぐる婦警との口論から、公務執行妨害で逮捕され19日間の勾留、9年をかけて国家賠償訴訟で勝利を勝ち取った実話。調子に乗りヒステリックになって自分の意見をゴリ押ししようとする人に時々出くわします。そんな典型的な婦警の話を真に受けて、目撃者を無視して不当逮捕にまで及んだ当時の築地警察署は腐敗そのもの。手荒な取締りに腹立たしさを覚えました。精神を患われた奥様、裁判後も夢でうなされるご主人の心の傷は一生消えないと思います。冤罪は身近に起こり得るものなのですね。本にして下さり、ありがとうございました。2018/04/07
アラフィフジョージ
0
不当逮捕の実態を公開したドキュメント本。これが法治国家日本の実態なのかと思うと憤りを感じた。警察組織の不当逮捕は今も毎日どこかで起きているんだろうと思う。詳しくはブログにも書いた→https://arafif-restart.com/arrest/futotaiho/2023/01/25