内容説明
銀河鉄道はいったいどこを走っていたのか?宮沢賢治が描いた宇宙を、精密な地上地図として再現し、賢治の銀河を明確な言葉で再構成する試み。
目次
1 ジョバンニの銀河(四次元の原稿;三角標について;マルセル・デュシャン;真空について;賢治の銀河)
2 カムパネルラの地図(ひろげた鷲のつばさ)
3 そらの野原(琴の星について;二つの柱)
4 三枚目の地図
著者等紹介
椿淳一[ツバキジュンイチ]
1969年東京生まれ。法政大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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へくとぱすかる
32
今までに読んだ銀河鉄道関係の本で、最も驚き、かつ共感した論考。初めの50ページほどは、私自身が秘かに考えていた内容でもあったが、著者はそのはるか先を行っていた! 賢治の知っていたハッブル以前の宇宙像を詳しく知りたいものである。ところで次元の圧縮は、何の力も想定せずに、著者も書くように「投影」すればよいと思う。ある意味プラネタリウム的に。さらに、宇宙と地上の一体化は簡単で、賢治自身も岩手山で野宿して体験したように、地上も宇宙の中にあることを体感すればいいと思う。ジョバンニはまさに丘の上で眠ったわけだから。2016/05/05
ちょろちょろ鼠
0
目から鱗だよ。どうして今まで何の疑問もなく汽車が宇宙空間を飛んでいると思ってたのかしら。蠍の話とかカンパネルラが死んじゃうとかインパクトが強い部分に気持ちが持っていかれてたのか?プラネタリウムのせい?確かに、鷺や雁が落雁みたいになっちゃう話はこれはなんか関係ある?って感じしてたけど。2024/07/30