目次
第1章 「未帰還兵」とぼく
第2章 藤田松吉との出会い―「花と兵隊」製作へ
第3章 タイ・ビルマ国境―坂井勇と中野弥一郎
第4章 戦犯、泰緬鉄道、逃亡兵
第5章 帰還将兵と残留兵と
第6章 土地に根を張り生き残る
第7章 最終取材
著者等紹介
松林要樹[マツバヤシヨウジュ]
1979年福岡県生まれ。2004年、日本映画学校卒業。卒業制作として『拝啓人間様』を監督・編集。05年、アフガニスタン、インドネシア、アチェなどの映像取材に従事。フジテレビ「ニュースJAPAN」にてアフガニスタン選挙取材が4回特集放送される。06年より、バンコクを拠点にテレビ番組の取材と並行して、インドネシア、タイ、ミャンマー国境付近にいる未帰還兵の取材に取り組む。09年8月、『花と兵隊』公開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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makimakimasa
11
青沼陽一郎『帰還せず』に登場した3名含め、取材した計6名全員がタイ在住。若さ故の未熟さをも武器に彼等の懐に入り込み、気負いを抑えた文章で前書とは異なる視点を提供。霊を恐れるタイ人は慰霊塔に好意的でない、自宅敷地にカレンとパオの難民を住まわす、シンガポールでの抗日華僑粛清、自分の部下を殺した、気合を入れる為に人肉食など…。問い掛ける自らの表情に滲む業さえも客観視し、捕虜虐待や慰安所利用など、思い切った質問で自己嫌悪になる。帰還将兵である著者の大伯父は彼等を逃亡兵と決め付け、そうした比較による立体化も効果的。2021/01/31
toshio
0
映画【花と兵隊】観ました。戦争って、本当に人間を狂わせる凶器ですね。カニバリズム、その境地に達する過程は様々でしょうが。この本、若い作者の体当たりが共感を呼びますが、師匠の二番煎じですね。おれなら、シンガポールから北上し、タイからジャングルに入り、ミャンマー二百三高地目指して歩きます。だれか、スポンサーになってください。不倫うんぬんで渦中の人となった人を超えて見せます。 今村昌平【未帰還兵を追って】シリーズ、【無法松故郷に帰る】2010/10/14
k_samukawa
0
非常に良い本。映画『花と兵隊』の制作ノートとは銘打ってあるが、これ一冊だけでも充分読める、立派なノンフィクションになっている。横井庄一や小野田寛郎とは違い、現地に根を張った未帰還兵に焦点を当てた著作の中で、直接本人に取材したものとしては恐らく掉尾に近い位置を占めるであろう本書だが、戦後年月が経っている故の視点が特色であり良い部分のひとつだろうと思う。映画の方も観てみたいと思った。2011/03/01
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