白村江の戦いと大東亜戦争―比較・敗戦後論

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 61p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784886834522
  • NDC分類 210.34
  • Cコード C0021

出版社内容情報

日本史における2大敗戦とその「後始末」を徹底検証。万世一系の天皇制イデオロ
ギーはどこから始まったのか。白村江の戦い(663年)から大和朝廷成立に至る歴史の
中で“幻想の天皇史”がどう創出されたか。「つくる会」の歴史教科書が採択された
今、敗戦記念日を前に緊急出版。

内容説明

戦前の皇国史観と戦後の文献実証史学は、激しく対立するかに見えて実は一つのコインの表裏にすぎない。戦後実証史学は、記紀文献の指示におおむね忠実であることによって、その編纂者の意図する思惑と造作に結果としてはまり込む。室伏「幻想史学」とは、当時の共同幻想の諸相を周辺からあぶり出し思惑と造作の内にある歴史を眼前に躍動してつかみだす論理的手法であり、それは20世紀の60年代以降の諸思潮の成果の総合の上に、狭い歴史学に哲学や社会学、心理学の知見を投入することによって歴史を多元的市民に奮還する試みである。藤原不比等という人物の卓抜な構想「大和一元史観」の袋状のなかに1300年もの眠りに陥った共同幻想の脱構築を果たし、東アジア史を共有していく豊饒な未来の歴史学へ連なるアプローチである。

目次

敗戦認識とアジア
筑紫都督府とGHQ
占領政策の転換と新羅
亡国の思想と立国の精神
捏造考古学と記紀史観
天皇制の変質と多氏
飛鳥の地上絵と春日信仰
かぐや姫と神宝(神器)
玉藻刈りと石舞台
タラシ系征服史観と『日本書紀』
遠謀深慮と歴史の逆説

著者等紹介

室伏志畔[ムロブシシハン]
昭和18(1943)年、大阪は天満生まれの帝塚山育ち。社会主義リアリズム批判から文芸批評を書き出し、5年前からその批判の延長に、記紀の指示表出を追うばかりの文献実証史学である戦後史学を批判の俎上に乗せ、記紀の幻想表出を浮き彫りにする中で、事件を当時の共同幻想の中に置き戻す幻想史学を展開する「天皇制の向こう側」シリーズを現在第5巻まで執筆
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

最近チェックした商品