目次
第1章 種々の概念と表記法についての予備的説明
第2章 論理的タイプの理論(悪循環原理;命題関数の性質;真と偽の定義並びにその体系的な多義性;なぜ関数は特定のタイプの代入項を要求するか;関数および命題の階層体系;還元公理;還元公理を承認する理由;矛盾)
第3章 不完全記号(記述;クラス;関係)
感想・レビュー
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roughfractus02
3
本書はゲーデル、ウィトゲンシュタインらが自らの考えを構築する契機とした大著の序論部分だが、彼らの批判にもかかわらずその階型理論はフログラミング理論のタイプシステムの基盤を作り、数学の多くの概念が本書の形式化作業によって展開可能になったとされる。それ自身を要素に持つ集合(集合の集合等)が引き起こすラッセルのパラドックスの回避から生まれたこの理論は、ベイトソンの学習理論のフレームにもなった。ただ、邦訳はドット使用がやや読みにくくp44,p74の記号に誤植と見られる箇所がある(全3巻は英語でウェブ公開された)。2017/02/16