内容説明
本書は著者が35年間にわたり研究と開発をしてきた技術と生産ラインで経験した加工技術を紹介して、加工に関連する業務に2、3年従事した技術スタッフを対象に工具技術のスペシャリストを早期に育成することをねらいとして編集したものである。また、高価な投資をしてつくりあげたラインで工具寿命が短かったり、ばらついたりして稼動率が低下し、無人運転ができないケースがある。なぜ工具寿命が短いのか、スタッフはその真の原因がわからないのが実状である。このような背景から本書では無人加工運転を実現させるための方策についても理論的に解説している。この理論解析に用いる工具寿命方程式については、読者がすぐ活用できるように各工具メーカ別の材質別にまとめて巻末に掲載してある。工具改善の仕方については加工能率向上と工具費の低減についてその改善の糸口となるTCR手法を掲載した。また工具の使い方ノウハウについては筆者が長年経験した技術を解説している。さらに新技術を開発する時の着眼点と併せて筆者が開発した新技術を紹介する。
目次
第1章 工具技術者の使命
第2章 実践的工具技術
第3章 今後の検討事項
第4章 工具管理部門の運営
第5章 技術資料
著者等紹介
宮崎勝実[ミヤザキカツミ]
1943年群馬県生まれ。1962年群馬県立桐生工業高等学校機械科卒業。1965年小松工業専門学校卒業。1965年小松製作所(現コマツ)川崎工場に勤務。1970年小山工場に転勤。1991年チーフエンジニアに昇格、現在に至る。この間、一貫して工具の研究・開発に従事し、多くの新技術を開発し、工具メーカの技術革新に大きく寄与したと共に、コマツの工具分科会のチーム長を歴任し、加工技術の向上に寄与した。現在は、各種団体での講演や加工技術の改善指導も行っている
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