内容説明
社会主義者は天皇・皇室とどう向き合って来たのか。天皇制廃止を主張する勢力とは異なる流れを追い「伝統と革新」の共存と合体を模索。またその可能性と教訓とは。
目次
第1章 王冠を戴く“社会主義”―世界の潮流と昭和期日本の“社会主義者”の皇室観(世界の君主制と社会主義政党との関係;皇室と社会主義者)
第2章 満洲事変を転機とする“錦旗革命”と社会主義革命―昭和前期の社会主義者の皇室観(満洲事変の衝撃と対応;軍と“錦旗革命”論 ほか)
第3章 国家社会主義の皇室観(国家社会主義とは何か;北一輝の思想と皇室観 ほか)
第4章 戦後“革新派”の皇室観(社会党は一つではない;周辺左派の負け惜しみ―荒畑、山川、向坂 ほか)
著者等紹介
梅澤昇平[ウメザワショウヘイ]
昭和16年、北海道生まれ。早稲田大学政経学部卒業。民社党政策審議会事務局長、広報局長等を経て尚美学園大学総合政策学部教授。現在、国家基本問題研究所副評議員長、民間憲法臨調運営委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スズキパル
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戦前の無産政党や戦後の革新勢力の天皇制への態度を概観。社会主義者というと、一般に君主制に対して否定的なイメージが強いが、右派では天皇制を機能主義的に捉え、維新革命の中心に据える国家社会主義者がいたり、左派でも民主主義と天皇制の両立を説き、積極的に皇室を肯定する人々がいたりと、そのスタンスは様々だった。同じ日無党から社会党左派に流れていった加藤勘十と鈴木茂三郎でも、天皇制に対する考え方の違いがあったのが印象的。2014/02/16
なっちゃん
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左翼界隈の皇室観の違いによって組織や立ち位置が変わり今の旧民主党、社民党、共産党、などの野党が存在しているのだと思いました。自分が右派左派思想関わらず一度読むことをオススメ致します。読むことで自分の思想、見方がしっかりした物になるはずです。2014/01/16